人民日報が仕掛ける消費者視点の輸入促進策

日本人が思う以上に、中国人は日本の化粧品に興味津々なのだろう。それを端的に示すのは、中国の有力メディア「人民日報」傘下の国有企業「人民日報デジタル」が日本の美容・化粧品ブランドを中心に安全性を評価する「日中優良美容ブランド選出企画」を立ち上げたことだ。背景にあるのは、2018年11月5日、中国国際輸入博覧会(上海)で、習近平国家主席が輸入関税の引き下げと市場アクセスの拡大を約束し、今後の輸入拡大の流れが鮮明になったこと。この政府方針のもと、人民日報デジタルは、中国の一般消費者の投票で安全性に優れる海外ブランドを選抜する企画を考えたのだが、その第1弾に日本の美容・化粧品ブランドが選ばれたのは、日本の化粧品に対する中国消費者の関心が高いからに他ならない。

「日中優良美容ブランド選出企画」の目的は、中国消費者が輸入品を選ぶ際の目安となる情報を提供することにある。それによって越境ECの拡大および一般貿易への切り替えを促進するとともに、中国公的機関と日本ブランドの関係をつくり、将来を見据えた意見交換などを加速させていくという。