健全な競争が良品を生む土台

化粧品・日用品市場は、花王の存在抜きに語れない状況になりつつある。美容系ではセルフスキンケアやメンズコスメでシェアを伸ばし、低迷していたヘアケアも事業改革によって立て直した。日用品では洗剤や柔軟剤など主要カテゴリーで独走態勢を築いている。競合各社は得意分野に投資を集中し、花王に対抗せざるを得ない。しかし人口減と物価高が同時に進む中、シェア争いの様相も変わり始めた。高付加価値化に頼った戦略が通用しにくくなり、マス需要を同時に取り込む事業構造が問われ始めている。量と質の両立が、シェア争いの重要なテーマになってきた。

花王が主要市場の主導権を握っていることは、決して悪いことではない。技術力に定評があり、商品の機能性で消費者を納得させた結果だからだ。例えば、敏感肌ブランド「キュレル」は、セラミドケアの価値を磨き続け、2025年も「潤浸保湿 泡美容液」などの商品を投入。既存顧客の単価向上と新規獲得の両輪を回し、化粧水、乳液、美容液、栄養クリーム、洗顔でシェアアップに結び付けた。だが、市場の寡占化が進めば競争は弱まりかねない。それによるイノベーションの停滞は看過できない事態だ。

この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。

ログイン