ライオンが防臭、高残香に次ぐ、柔軟剤の第三極を生み出すと意気込み、2023年4月に発売した「ソフラン エアリス」の廃番を決めた。家事の結果ではなくプロセスに着目し「洗濯と毎日を解放的でかろやかにするエアリー体験」というコンセプトを打ち出し、水のようにピュアで透明な液剤が生み出す香り、着心地、デザインの三つの新感覚を訴求。だが、花王、P&Gの競合2社の牙城を崩すどころか、わずか1年半で撤退を余儀なくされた。ライオンは一部生産設備の撤去を決定。さらにファブリックケア分野の事業環境を踏まえ、将来の回収可能性を見極めた結果、24年12月期第3四半期決算で約62億円の減損損失を計上した。事実上、柔軟剤市場は花王とP&Gの2強時代に入ることになる。
ソフラン エアリスの敗因は2点ある。一つ目は発売と同時に多額の広告投資を行ったものの、それでも投下量が2強に及ばなかった。そのためブランド認知が思うように進まず、売り場確保に苦戦。これが売り上げ低迷の主要因になった。「国内市場が縮小していることもあるが、日本のファブリックケアの販売価格は世界に比べて安すぎる。利幅が少ないから利益はシェア2位までしか生み出せない事業環境になっている」と競合会社のマーケッターは指摘する。
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