2023年12月期第3四半期業績は、売上高は前年同期比3.5%増の2960億9700万円、営業利益44.1%減の125億1200万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益48.3%減の88億5000万円と増収大幅減益となった。利益の減益は、競争費用の増加や本社移転に伴う費用の発生、昨年1月に土地の譲渡益を計上した反動減等が影響した。

セグメント別に見ると、「オーラルケア分野」、「ビューティケア分野」、「ファブリックケア分野」、「リビングケア分野」、「薬品分野」、「その他の分野」で構成する一般用消費財事業は、売上高1.8%増の1965億1900万円、セグメント利益65.6%減の30億8200万円となった。

そのうちオーラルケア分野は、ハミガキで、「クリニカPROプロ ハミガキ」や「NONIOノニオプラスホワイトニング ハミガキ」が好調に推移したが、一部ブランドにおいて販売促進の内容を見直したことなどから、全体の売上は前年同期を下回った。

ハブラシは、新製品「LIONライオン電動アシストブラシ」を発売するとともに、ブラシ部にラバー素材を採用した新製品「クリニカPROプロハブラシ ラバーヘッド」が好評だったこともあり売り上げは前年同期を上回った。デンタルリンスは、「NONIOノニオマウスウォッシュ」が前年同期を下回ったこともあり、全体の売り上げも減少した。これらの結果、同分野全体の売上高は0.3%減の518億9200万円だった。

ビュ-ティケア分野は、ハンドソープが市場縮小のあおりを受けた。ボディソープは、「hadakaraハダカラボディソープ 泡で出てくるタイプ」が順調に推移したものの、液体タイプが前年同期を下回った。これらにより分野売り上げは9.1%減の180億600万円だった。

ファブリックケア分野は、柔軟剤において「ソフラン プレミアム消臭」が前年同期を下回った一方で、新製品「ソフラン エアリス」の発売が底上げした。洗濯用洗剤は、新製品「NANOXナノックス oneワン」の発売効果により前年同期を上回った。その結果、分野全体の売り上げは6.2%増の466億6900万円と伸長した。

リビングケア分野は、住居用洗剤で「ルックプラス バスタブクレンジング」等が前年同期を下回り、全体の売上も前年同期を下回った。台所用洗剤は、「CHARMYチャーミー Magicaマジカ」が伸びなやみ、全体の売上は微減。分野全体の売り上げは、7.4%減の158億100万円だった。

薬品分野は、解熱鎮痛薬で「バファリン プレミアムDX」が好調に推移したものの、「バファリン プレミアム」「バファリンA」が前年同期を下回ったこともあり苦戦。一方、点眼剤は、「スマイル40ゴールド」シリーズが堅調に推移した。ニキビ薬は、「ペアアクネクリームW」が好調だった。足用冷却シートは、インバウンド需要の回復により前年同期を大幅に上回った。これらの結果、分野全体の売り上げは、5.7%増の189億3100万円となった。

その他の分野は、ペット用品でオーラルケア品が好調に推移するとともに、猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が堅調に推移したこともあり、分野全体の売り上げは7.0%増の452億1700万円となった。

産業用品事業は、売り上げが0.9%増の427億1300万円、セグメント利益が4.9%増の25億1300万円だった。

海外事業の売り上げは13.9%増(為替影響を除外すると7.4%増、以下同)の1096億3700万円、セグメント利益は77.9%増の59億7500万円と大幅な増収増益だった。そのうち東南・南アジアは売上高9.4%増(1.7%増)の668億7400万円、セグメント利益は129.5%増の34億900万円となった。タイでは、ボディソープ「植物物語」が好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前年同期を大幅に上回った。また、マレーシアでは洗濯用洗剤が前年同期を上回り、円貨換算後の全体の売上も前年同期を上回った。

北東アジアの売上高は21.6%増(17.4%増)の427億円、セグメント利益は37.0%増の25億6500万円となった。中国では、ハミガキ「ホワイト&ホワイト」、ハブラシ「システマ」がともに好調に推移。また、韓国では、洗濯用洗剤が好調に推移した。

23年12月期通期業績は、売上高5.2%増の4100億円、営業利益13.3%減の250億円、親会社の所有者に帰属する当期利益20.2%減の175億円と前回公表数値を据え置いた。