ライオンの2023年12月期第1四半期決算は、売上高は前年同期比4.4%増の908億4900万円、営業利益77.5%減の23億6100万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が80.0%減の15億7800万円。売上高は海外事業、産業用品事業がけん引して増収となったものの、原材料価格の上昇や本社移転に伴う一時費用、新基幹システム償却費等により、減益となった。
一般用消費財事業の売上高は0.6%増の600億4900万円、セグメント利益は70.8%減の10億5400万円。薬品分野は増収となったものの、ビューティケア分野、リビングケア分野が減収。また、原材料価格上昇の影響を受けて減益となった。
分野別にみると、オーラルケア分野の売上高は0.8%減の154億3100万円。ハミガキは「NONIO ノニオ プラスホワイトニング ハミガキ」や「クリニカアドバンテージ ハミガキ」が好調に推移したものの、一部ブランドで販売促進の内容を見直したこともあり、全体の売り上げは前年同期を下回った。 ハブラシは「ビトイーンライオン」が前年同期を下回ったが、新製品「LION ライオン 電動アシストブラシ」の出荷もあり、全体の売り上げは前年同期を上回った。 デンタルリンスは「NONIO ノニオ マウスウォッシュ」が前年同期を下回った。
ビューティケア分野の売上高は7.7%減の54億8600万円。ハンドソープは「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ」「キレイキレイ薬用液体ハンドソープ」がともに前年同期を下回った。ボディソープは「hadakaraハダカラ ボディソープ 泡で出てくるタイプ」が好調に推移したものの、液体タイプが前年同期を下回った。
ファブリックケア分野の売上高は0.9%増の138億9900万円。柔軟剤は「ソフラン アロマリッチ」が前年同期を下回ったが、新製品の出荷があったことから、全体の売り上げは前年同期を上回った。洗濯用洗剤は、液体高濃度洗剤「トップ スーパーNANOX ナノックス ニオイ専用」が前年同期を下回るとともに、一部の粉末洗剤の販売を終了したことから、全体の売り上げは前年同期を下回った。
リビングケア分野の売上高は3.3%減の49億8000万円。住居用洗剤は「ルックプラス バスタブクレンジング」が前年同期を上回ったものの、「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」が前年同期を下回った。台所用洗剤は、「CHARMYチャーミーMagicaマジカ」が伸びなやんだ。
薬品分野の売上高は4.1%増の55億2600万円。解熱鎮痛薬は、新型コロナウイルス関連需要が落ち着く中、「バファリンA」や「バファリン プレミアム」が前年同期を下回った。点眼剤は「スマイル40ゴールド」シリーズが好調に推移。ニキビ薬は「ペアアクネクリームW」が好調に推移した。足用冷却シートは、インバウンド需要の回復により前年同期を大幅に上回った。
産業用品事業の売上高は12.6%増の147億600万円、セグメント利益は26.8%増の10億1000万円となった。モビリティ分野では、タイヤの防着剤が順調に推移した。エレクトロニクス分野では、二次電池用導電性カーボンが堅調に推移した。業務用洗浄剤分野では、ハンドソープが前年同期を下回ったが、衣料用洗剤が好調に推移した。
海外事業の売上高は19.1%増の342億6600万円、セグメント利益は81.2%増の15億6700万円。タイでは、洗濯用洗剤が数量ベースで伸びなやんだが、ボディソープ「植物物語」が好調に推移した。また、マレーシアでは洗濯用洗剤が前年同期を下回ったが、為替変動の影響により全体の売上は前年同期を上回った。中国では、ハミガキ「ホワイト&ホワイト」ならびにハブラシ「システマ」が好調に推移した。また、韓国では、洗濯用洗剤が好調に推移した。
23年12月期通期業績は、売上高5.2%増の4100億円、営業利益は13.3%減の250億円、親会社の所有者に帰属する当期利益20.2%減の175億円と、前回公表した予想を据え置いた。