ライオンの2020年12月期第2四半期決算は、売上高1691億1100万円(前年同期比1.1%増)、事業利益163億7200万円(同31.4%増)営業利益259億6800万円(同101.5%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益が186億2300万円(同114.3%増)、売り上げ、利益ともに2月末に修正を行った計画を達成し、増収増益となった。また、今期は固定資産(本社土地)譲渡益により、営業利益および親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年に対して、大幅に増加している。

増収要因としては、特に一般消費財事業が伸長したことが挙げられる。新型コロナウイルスの影響により、ハンドソープや手指消毒などの衛生関連品が大きく伸長した他、在宅時間増加により、台所用品、住居要洗剤などの売り上げも増加。分野別ではそれらの消費が含まれるビューティケア分野、リビングケア分野が大きく売り上げを伸ばし、それぞれ46.9%増、31.4%増となった。

一方で、歯ブラシや洗濯用洗剤、柔軟剤などは2月にまとめ買いがあったものの、その反動減が5月に大きく出ており、オーラルケア分野は2.6%と微増、ファブリックケア分野は6.0%減となった。

海外事業においては、東南アジア・北東アジアともにハンドソープは拡大したものの、特に東南アジアは厳しい外出活動制限により減退。全体の売上高は3.5%減の496億8000万となった。

増益要因としては、増収に加え、利益率の高い商品にシフトした構成変化や、原価・物流などのコストダウン、競争費用の減少などにより事業利益率が向上したことが挙げられる。

下期は、新型コロナウイルスの影響など、今後の市場環境を踏まえ、①衛生関連品需要への対応②オーラルケア分野の成長継続③中国事業の成長加速の三つの方針を柱に展開を進め、通期目標を達成するとしている。

特に生活必需品メーカーとして期待される衛生関連品の生産については、国内の生産ライン追加に加え、委託生産の拡大を図ることで現在の2倍近くまで生産キャパシティを上げる他、タイや韓国での増産体制を継続すると説明。また、オーラルケア分野については、下期も積極的なマーケティング投資を行い、NONIO、クリニカなど主力ブランドを引き続き育成する他、高付加価値ライン拡充も地位盤石化を図っていく考えだ。