新型コロナによる世界的な需要低迷により、化粧品企業は各社ともビジネスモデルの再構築に迫られている。百貨店の休業、渡航制限によるインバウンド需要の消失、外出自粛やマスク着用によるリップ関連の需要激減など、矢継ぎ早に対応しなければならない変化が訪れている。リーマンショックなど、これまでも業界にとって厳しい状況もあったが、今回は様相が異なる。不況だから物が売れないわけではないからだ。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券インベストメントリサーチ部産業・企業リサーチ課佐藤和佳子シニアアナリストは、「中価格帯の売れ行きが悪くなるこれまでの不況時とは異なり、体験価値を提供する高価格帯ほど厳しい状況」と指摘する。タッチアップの自粛などで高価格帯の価値を伝えにくくなっているからだ。また高価格帯を支えるキャリア女性ほどテレワーク比率が高く化粧品消費を落としている可能性がある。高価格帯化粧品の売れ行きが鈍化することにより、商品ミックスが大きく変わるため、必然的に利益も悪化している。
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