コーセーの2021年3月期第1四半期の連結決算は、売上高が前年同期比26.5%減の600億5700万円、営業利益が同91.6%減の11億1300万円、経常利益が同88.0%減の15億6300万円、純利益が同81.1%減の15億9100万円と新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、減収減益となった。

セグメント別にみると、化粧品事業は、韓国の免税チャネルや中国のEコマース・免税チャネルで「デコルテ」が、国内では高保湿エイジングケアブランド「ルシェリ」がそれぞれ好調に推移したものの、他の主要ブランドが総じてマイナス成長。結果、売上高は同25.4%減の478億6700万円、営業利益は同61.7%減の59億9700万円となった。

コスメタリー事業は、「スティーブンノルニューヨーク」が好調だったが、日焼け止め市場、クレンジング市場の不振により、売上高は同29.7%減の117億200万円、営業損失は25億1100万円(前年同期は12億300万円の営業損失)。

その他の事業については、アメニティ製品の販売やOEM生産の受注が減少し、売上高は同48.3%減の4億8600万円、営業利益は同89.1%減の2900万円となった。

地域別売上高の構成比は、日本58.0%、アジア27.8%、北米12.7%、その他1.5%で、日本の大幅な落ち込みとアジアの成長を受け、海外売上高比率は42.0%まで上昇した。日本市場は、コロナ禍により主要な販売チャネルでマイナス成長。一方、期間限定の“ステイホームキャンペーン”を実施し、通常Eコマースで販売しないカウンセリングブランドもメゾンコーセーのECサイトで販売したため、「デコルテ」を中心に反響があった。結果、売上高は同38.5%減の348億1400万円となった。

アジア市場は、各国で新型コロナの影響を受けたが、韓国では免税チャネルおよびEコマースが好調に推移。中国も強化しているEコマースの高成長が継続し、売上高は同12.1%増の167億400万円となった。

北米市場は、1月は米国タルト社による新製品が業績をけん引したが、プレステージメイク市場の厳しい環境の影響、3月からはロックダウンや外出規制の影響を受け、売上高は同12.3%減の76億3900万円となった。

その他の地域では、2月までは米国タルト社による欧州での販売が好調に推移したが、3月以降はロックダウンや外出規制の影響を受け、売上高は同41.9%減の8億9800万円となった。

21年3月期は、売上高が前期比12.5%減の2866億円、営業利益が同57.2%減の172億円、経常利益が同55.5%減の182億円、純利益が同53.2%減の125億円の見通しで据え置きとなった。