ライオンは、容器開発における考えや技術を紹介するメディア向けセミナーを11月18日に開催。今回は同社が生産技術研究において重点課題として設定している「環境配慮」と「ユーザビリティ」の2点をテーマについて取り組みを紹介した。

冒頭、容器・包装技術研究所の槇村泰廣所長が、経営ビジョンと中期経営計画における容器開発の重要性を説明。その重点課題として、環境対応への社会的責任と、多様化する生活者ニーズへの対応を挙げた。特に環境対応の課題について、同社は「LION Eco Challenge 2050」を掲げており、2050年時点でのCO2排出量目標や、再生プラスチック使用量についての目標を具体的に設定している。

環境対応包装についてのパネル展示

今回は、昨今注目が集まっているプラスチック問題についての取り組みを中心に紹介した。ライオンが行う包装材料の環境配慮のアプローチは、容器の大きさを小さくするなどの「使用量の削減(リデュース)」、詰め替え商品の展開による「容器の再利用(リユース)」、飲料用ペットを容器の原料に再利用する「容器の再資源化(リサイクル)」、「再生可能な原料の使用(リニュアブル)」の四つの観点から行われている。

例えば、リデュースの分野では、製品の濃縮化により、1製品あたり3~4割程度のプラスチック使用量削減に成功。こうした濃縮製品は出荷全体の約5割に達している。ほかにも、詰め替え製品の出荷比率は直近10年間で7%増加、全体の約8割に上るなど、環境対応商品の普及が進んでいる。

また、業界を跨いだ環境対応への取り組みにも積極的だ。ライオンは経産省の掲げる「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」や環境省が取り組む「プラスチック・スマート」、日本化学工業協会などが行う「海洋プラスチック問題対応協議会(JaIME)」に参加するなど、業界としての垣根を越えた環境対応技術開発を強化している。直近では、旭化成と協業で再生プラスチック素材をバージン素材と同等の素材として再生する技術開発を開始しており、革新的な技術開発で新産業の創出を目指している。

新商品の体験コーナー