ライオンは、女性を美しい笑顔へと導く新美容機器「VISOURIRE(ヴィスリール)」の開発・事業化を推進する。このため、9月6日から国内最大のクラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」を活用した開発・事業化プロジェクトを開始する。

ライオンでは今年、2030年に向けた新経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を策定し、「健康、快適、清潔・衛生」をキーワードに生活習慣を〝リ・デザイン〟することで、消費者一人ひとりの「心と身体のヘルスケア」の実現を目指している。

そうしたなか、今年1月には研究開発本部内に「イノベーションラボ」を新設し、新規事業の創出に着手。そのなかで次世代ヘルスケアカンパニーを具現化する製品の一つとして新美容機器の開発を推進している。

この新美容機器の開発・事業化に当たり、新たな取り組みとして「Makuake」を活用し、19年の製品化を目指す。支援受付期間は9月6日から12月26日までで、支援目標金額は300万円だ。「Makuake」は、株式会社マクアケが運営する日本最大級のクラウドファンディングサービスで、13年8月のサービス開始より、4500件以上のプロジェクトを掲載し、1000万円を超える大型の資金調達事例は120件以上にのぼる。

ライオンが今回クラウドファンディングを活用したのは、単に支援を募るだけではなく、マクアケのプラットフォームを活用することで、援者の属性や意見を収集できるなど事業検証と話題喚起を並行して実施することが可能となるからだ。また発売前から顧客の獲得ができることからも、新領域の事業開発の有効な施策の一つとなる。

この取り組み開始を受け開催した記者説明会で、ライオン研究開発本部イノベーションラボの宇野大介所長は、ライオンのイノベーション実現に向けた取り組みについて説明。新価値創造による事業の拡張・進化、グローカライゼーションによる海外事業の成長加速、事業構造改革による経営基盤の強化、変革に向けたダイナミズムの創出、の四つの戦略の柱で新経営ビジョン「LIVE(LION Value Evolution Plan)」を進めていることを明らかにした。

また、研究開発本部のミッションとして新たな顧客体験価値の創造を掲げ、この目標に向け、顧客の共感につながる体験価値づくり、オープンイノベーションによる研究開発のスピードアップを進めていることや、イノベーションラボのミッションとして、イノベーションの質・量・スピードを高めるための全社のハブとなり、従来の事業部、開発研究体制を超える〝驚きのある〝新規事業を創出することを上げた。今回の「ヴィスリール」の開発・事業化もこうした取り組みの一環となる。

続いて登壇したイノベーションラボの川崎亜沙子研究員は「ヴィスリール」の開発背景や製品概要を説明。ライオンが行った調査では、20~50代女性のほとんどがいつまでも若々しくいたいと感じており、なかでも顔がどの年代においても最も気になる部位として高く上がっていることがわかった。「ヴィスリール」はこうした女性のインサイトに着目して開発・事業化を進める美容機器。口の中から頬を押し上げるように使い、音波振動を与えて、女性を美しい笑顔へと導く。価格は、ストレッチバーと潤滑ジェル1本のセットで1万4000円となっている。