ライオンは、子どもの正しいハミガキ習慣の形成をサポートするIoT商品サービス「クリニカKid’sはみがきのおけいこ」のテストマーケティングを開始した。8月25日~9月8日までロハコの特設サイトで予約販売を受け付け、販売は9月9日から開始となる。
同サービスは、加速度センサーを内蔵しハブラシの動きをセンシングできるアタッチメントをライオンのクリニカキッズ歯ブラシに装着することで、絵本型コンテンツのスマートフォンアプリと連動し、データの蓄積や達成感の付与など、子どもが自主的にきちんとした歯みがきを続けることを可能にする、IoTを生かした商品サービス。「衛生意識が一層の高まりをみせている状況の中、子どもの衛生を守る上で子どもの頃から正しいハミガキ習慣を付けるため、ライオンの役割はよりいっそう高まっている」(ライオンヘルス&ホームケア事業本部オーラルケア事業部・浦尾康弘部長)という強い使命感のもと取り組む、新たな試みだ。
子どもは本能的に、口に異物を入れる行為であるハミガキを嫌がる傾向にあるため、子どものハミガキは、本人はもちろんのこと、共働きで忙しく働く両親にとってもストレスフルな時間であることに着目。一方で幼少期の子どもは両親にとって自分の目で成長を見届けられる貴重な期間であるからこそ、「ハミガキの時間も子どもの成長を感じられる瞬間に変え、その時間を増やすことは我々の使命だと考えた」とライオンの横手弘宣クリニカブランドマネージャーは開発背景を説明する。
同サービスは147人の保護者と2人の専門家の指導のもと開発され、従来の子どもハミガキでの課題を解決する心理学的なアプローチを組み込んだ。アプリには、子どもの想像力をかき立てながら衛生概念を学べる全5種類のストーリーと、即時フィードバックができるかつ毎日の頑張りを全て記録に残すことができるシステムなど、子どもが楽しんで正しいハミガキ習慣を身につけられるような工夫を数多く搭載。また、「スマートフォンを子どもに渡したくない」「毎日アプリと連携するのは大変」といった親の不安や負担にも対応しており、歯ブラシに装着するデバイスのみで行える「音だけモード」も実装している。製品価格はデバイス一つあたり1万1000円、一つのデバイスで3人分登録することが可能だ。
今回はアスクルが運営する日用品ECサイトLOHACO(ロハコ)との連携したマーケティングを行うことも特徴だ。ロハコが2019年9月から開始したデータ連係サービス「LOHACO Insight Dive」を通し、ロハコの持つ購買データや商品データ、閲覧データとライオンの持つハミガキや行動データを一体化して活用することで、ハミガキの買い換えタイミングやその後の成長に伴うオーラルケアのステップアップなどをトータルでサポートできる体制を整える。アスクルのLOHACO事業本部・成松岳志副本部長は「流通業として、作り手(メーカー)の思いと市場創造について、お買い物という消費者の答え合わせができるのが我々の強み。貴重な製品に明確に組み込んだ活動は初めてなので、非常に大きな期待を寄せているとともに、本製品の普及でお力添えできればと思っている」と期待を込める。