資生堂の2025年12月期第2四半期業績は、売上高は前年月比7.6%減の4698億3100万円、コア営業利益21.3%増の233億7200万円、営業利益は180億8400万円の黒字、税引前中間利益356.4%増の192億200万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は前年の1500万円から大幅増の95億3500万円となった。

売り上げは、景況感の悪化に伴う消費低下の影響が継続した中国・トラベルリテール事業や、「Drunk Elephant」の苦戦が継続している米州事業を中心に減収となったことが響いた。利益面は、中国・トラベルリテール、欧州、米州事業などの減益を、日本事業での構造改革効果および全社を挙げたコストマネジメントにて一部相殺。親会社の所有者に帰属する中間利益は、コア営業利益の増益に加え、前年に非経常項目において主に日本事業の早期退職支援プランに係る構造改革費用を計上したことによる反動も影響し大幅な増益となった。

地域別に見ると、日本事業は売上高0.6%減の1458億7200万円、コア営業利益207.5%増の195億600万円。「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ」「エリクシール」を中心としたコアブランドで力強い成長を実現した。また、3月に販売を開始した「SHISEIDO」新アルティミューンなど最新技術を搭載した商品が好調に推移した。

中国・トラベルリテール事業は、売上高12.4%減の1739億4100万円、コア営業利益15.6%減の388億1100万円。中国では、「618」Eコマースプロモーションで「クレ・ド・ポー ボーテ」や「NARS」を中心に大幅に伸長した一方、オフライン全体は厳しい状況が継続した。トラベルリテール(空港・市中免税店などでの化粧品・フレグランスの販売)では、中国海南島・韓国において、中国人旅行者の消費低調による厳しい状況が継続し、減収となった。

アジアパシフィック事業は売上高2.3%減の336億6300万円、コア営業利益は1億2900万円の欠損。タイを中心とする東南アジアや韓国で成長し、「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ」「アネッサ」で増収した一方で、台湾での市場縮小の影響を受け、減収となった。

米州事業は売上高10.1%減の514億6900万円、コア営業利益は58億3000万円の欠損。「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ」「Dr. Dennis Gross Skincare」が増収となった一方、「Drunk Elephant」は前年比マイナス成長が継続した。

欧州事業は、売上高5.3%減の594億9900万円、コア営業利益は25億5700万円の欠損。新商品を発売した「Zadig&Voltaire」や「narciso rodriguez」等フレグランスが力強い成長を示した一方で、「Drunk Elephant」の苦戦継続や、前年のシステム導入前の先行出荷による高い成長からの反動が響いた。

25年12月期通期業績は、売上高が前年比0.4%増の9950億円、コア営業利益は0.4%増の365億円、営業利益は78.2%増の135億円と増収増益、税引き前利益145億円、親会社の所有者に帰属する当期純利益は60億円と前回予想を据え置いた。