資生堂の2023年12月期業績は、売上高が前年同期比2.6%増の2400億900万円、コア営業利益186.3%増の125億3200万円、営業利益140.5%増の105億2500万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益97.3%増の86億8000万円と増収大幅増益となった。

売り上げは、特に1月に感染者数再拡大の影響を受けた中国事業、流通在庫調整の影響を受けたトラベルリテール事業では前年を下回った一方、市場の回復を捉えた新製品の展開強化等によって日本事業は着実な成長を果たしたほか、米州事業、欧州事業、アジアパシフィック事業においても、力強い成長を実現した。利益面は、増収に加え、機動的なコストマネジメントの継続等により大幅増益となった。

セグメント別にみると、日本事業では外出機会の増加・マスク着用の緩和に伴う需要回復に合わせ、スキンケアだけでなくメイクアップカテゴリーでも革新的な新製品を展開したことが奏功。「クレ・ド・ポー ボーテ」や「SHISEIDO」では愛用者数の着実な増加と共に力強い成長を実現した。また、「エリクシール」では昨年9月の化粧水・乳液の大型リニューアルに続いて、今年2月にブライトニングシリーズも刷新し、好調に推移。これらにより、売上高は8.0%増の617億円、コア営業利益は売上増による差益増や費用効率化などにより、前年に対し26億円改善し、損失幅は縮小した。

中国事業では、大型プロモーションを中心とした成長から、より消費者のニーズを踏まえたブランド・商品の価値伝達による持続的成長への転換を進めているが、ゼロコロナ政策解除後の新型コロナウイルス感染者数再拡大等の影響を受け、1月は厳しい市場環境となった。しかし、2~3月には市場回復を捉えたマーケティング活動を展開し、「SHISEIDO」や「クレ・ド・ポー ボーテ」等が力強い成長を実現。第1四半期のオフライン売り上げは6四半期ぶりに成長に転じた。一方、婦人節が市場全体として縮小したことなどから、Eコマース売り上げは、前年を下回った。これらにより売上高は2.6%増の532億円、コア営業利益は21億円の赤字だったがコストマネジメントの推進等により前年に対し7億円改善した。

アジアパシフィック事業の国・地域では、台湾で市場回復に遅れが見られた一方で、韓国や東南アジア等が力強く成長。その中で、昨年から好調に推移している「NARS」や限定品を発売した「アネッサ」が力強く伸長し、成長をけん引。これらにより売上高は154億円と横ばい、コア営業利益はマーケティング投資等の増加により前年に対し9億円減の4億円となった。

米州事業では、SNSマーケティングを強化した「Drunk Elephant」が前年比2倍超の成長を実現したほか、「NARS」も力強く成長し、全体でシェアを拡大した。これらの結果、売上高は3.2%増の260億円。コア営業利益は前年比4億円増の15億円だった。

欧州事業では、市場伸長を捉えたプロモーション、デジタルマーケティングの強化により、スキンケア機能を搭載した「NARS ライトリフレクティングファンデーション」や先進ヒアルロン酸研究技術を搭載した美容液「SHISEIDO ビオパフォーマンス スキンフィラー」等が成長をけん引したのに加え、「Drunk Elephant」の店舗数拡大も着実に進め、売り上げを拡大した。売上高は2.5%減の278億円、コア営業利益は26億と増益だった。

トラベルリテール事業は、新型コロナウイルス感染症による影響の緩和に伴う旅行客数の増加により、欧州や日本で力強い成長を実現したほか、アジアについては、店頭でのブランド・顧客体験強化等を通じ、成長を継続したこともあり、売上高は3.8%増の386億円。コア営業利益は6億円減の75億円だった。

23年12月期通期業績は、売上高6.3%減の1兆円、コア営業利益16.9%増の600億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は18.1%減の280億円と期初予想を据え置いた。