資生堂の好決算が止まらない。8月8日に発表された今中間期決算では、日本、中国、トラベルリテールの三事業が業績を牽引、売上高は5325億9600万円の前年比12.8%増、営業利益は711億1100万円の105.1%増の実績を上げた。

売上げ構成比の44.8%を占める日本事業は、引き続きインバウンド需要をしっかり取り込んだ。集中的にマーケティング投資を強化しているスキンケア、ベースメイクアップ、サンケアの肌3分野を中心に、中高価格帯ブランドの成長に拍車がかかった。リニューアルした美容液「アルティミューン」が牽引した「SHISEIDO」やしわ改善クリーム「エリクシール」が高い成長性を確保。新たな客層拡大に貢献した。

日本事業に次ぐ売上げ構成比17.5%を占める中国事業も、「SHISEIDO」、「クレ・ド・ポー ボーテ」「イプサ」などのプレステージブランドが高成長を持続。またメイドインジャパンのコスメティクスブランド「アネッサ」「エリクシール」も大きく伸長した。

トラベルリテールの売上げ構成比は8.5%に高まっている。世界各地の空港での広告宣伝強化など積極的なマーケティング投資の効果により、アジアを中心に「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ」「NARS」「アネッサ」が前年を大きく上回る伸長を継続。売上高は円換算後で前年比40.3%増の435億円となった。

通期業績予想は上方修正し、前回予想の1兆330億円を1兆900億円に、営業利益900億円を1100億円に引き上げた。