ヤーマンは2024年9月11日、『RFに次ぐ新技術「CERTEC(サーテック)」の可能性』と題する技術発表会を東京・銀座の旗艦店YA‐MAN the store GINZAにおいて開催した。

「CERTEC(サーテック)」とはCell Energy Regeneration Technologyの略で、10kHz~200kHz未満の出力周波数と電極間距離を制御することで熱刺激と電気刺激を両立した“熱電気刺激”を与える、ヤーマン独自のエイジングケア技術。この度、ヤーマンの研究開発拠点である表情筋研究所は、東京大学大学院医学系研究科皮膚科学との共同研究「CERTECを搭載するデバイスを用いてその効果検証をする研究」に関する論文を発表。この論文は厳密な査読を行うアメリカの学術研究誌「Journal of Cosmetic Dermatology | Wiley」で公開されるといった快挙も成し遂げた。

発表会は、二部で構成。第一部では、表情筋研究所山﨑謙太朗所長が「CERTEC」とリバースエイジング(若返り)の可能性について説明するとともに、国立大学法人東京大学大学院 医学系研究科 皮膚科学の尾松淳助教が研究論文に関する発表を行った。

山崎所長は、一つの電極で肌深部に熱刺激と電気刺激を同時に与える独自技術である「CERTEC」の肌へのアプローチについて検証した結果を公表。例えばほうれい線へのアプローチにおいては、1回、10分間使用した際に最大深さで‐11.3%、総体積で‐16.3%と、ほうれい線が浅く改善することがわかった。

そのほかにも、「CERTEC」の熱刺激が線維芽細胞のコラーゲン・ヒアルロン酸産生促進効果を有すること、熱+電気刺激がEMS(Electrical Muscle Stimulation)の2.0倍、RF(Radio Frequency)の1.5倍の血行促進効果をもたらすことなどを明かし、同技術がリバースエイジングに有効な新技術であることを伝えた。

表情筋研究所 山﨑謙太朗所長

尾松助教は、30~59歳の健常女性24名に対しハーフフェイスでの効果比較を8週間かけて実施し、たるみや大きなしわの減少といった外形変化、血流の改善などを検証。その結果、「CERTEC」が顔の皮膚の弾力性を効果的に改善し、しわやたるみを減少させるとともに、血流を促進し、顔全体の見た目の若返りに寄与することが判明。「CERTEC」が非侵襲的アンチエイジング療法として有望であることを示した。

国立大学法人東京大学大学院 医学系研究科 皮膚科学 尾松淳助教

第二部では、ヤーマンの山﨑貴三代社長がファシリテーターとなり、ゲストに国立大学法人東京大学大学院 医学系研究科 皮膚科学の佐藤伸一教授と吉崎歩特任准教授を招き「なぜ今、東京大学皮膚科が美容技術に注目しているのか?」のテーマでトークセッションを実施。電子工学と皮膚科学の掛け合わせで抗老化(アンチエイジング)とは異なるケアとしての期待、化粧品とは全く異なるアプローチができる家庭用美顔器の可能性などを伝えた。

ヤーマン 山﨑貴三代社長

国立大学法人東京大学大学院 医学系研究科 皮膚科学 佐藤伸一教授

国立大学法人東京大学大学院 医学系研究科 皮膚科学 吉崎歩特任准教授

美容家電全体の市場規模2540億円のうち、家庭用美顔器の市場規模は229億円。山﨑社長は、「日本における家庭用美顔器市場が黎明期にある中で、今回の論文発表は美容機器業界での非常に大きなマイルストーンになると感じている」と語った。