小林製薬は4月27日、2021年12月期の第1四半期決算を発表した。連結売上高は前年同期比5.1%減の302億6900万円、営業利益は3.8%減の46億8900万円、経常利益は3.0%増の51億9200万円、親会社株主に帰属する当期純利益は3.1%減の36億2800万円だった。減収減益となったが、国内外のカイロが好調で想定よりはやや上振れとなった。また減益要因として、償却方法に伴う一括償却の反動でプラスになるも、減収の影響が大きく響いた。

国内では、漢方薬「テイラック」、機能性表示食品サプリメント「血圧ヘルプ」、スティック芳香剤「Sawaday香るStick SAVON」など20年春に9品目、同年秋に14品目の新製品が売り上げに貢献した。また、新型コロナウイルス感染予防対策として除菌・衛生関連用品の需要が20年に引き続き見られ、軽く拭くだけでレンズ汚れを落とせる「メガネクリーナーふきふき」、鼻うがい「ハナノア」、ニキビ・肌あれ予防の薬用ローション「オードムーゲ」などが好調に推移した。

一方で、訪日外国人の減少により、インバウンド需要は大きく減少。さらに外出自粛や飲み会減少、マスク着用による風邪・インフルエンザ罹患者の減少により、口中清涼剤「ブレスケア」や冷却シート「熱さまシート」などが減収。その結果、国内事業の売上高は前年同期比9.8%減の235億8100万円となった。

海外では、米国・中国・東南アジアを中心に、カイロや「熱さまシート」、外用消炎鎮痛剤「アンメルツ」などを販売しており、広告や販売促進など積極的に投資することで売上拡大に注力してきた。そうした中、20年の暖冬の反動に加え、21年は各国で気温が低下したことで、米国や中国を中心にカイロが増収となった。さらに、20年10月実施したM&Aにより連結子会社となったAlva-Amco Pharmacal Companies,LLCが売り上げに貢献。その結果、国際事業の売り上げ高は前年同期比13.0%増の57億4500万円となった。

21年12月期の連結業績予想に変更はなし。売上高は前期比3.6%増の1560億円、営業利益は0.2%増の260億円、経常利益が0.3%減の278億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1.5%増の195億円を見込む。

月刊『国際商業』2021年07月号掲載