小林製薬は10月27日、2020年12月期の第3四半期決算を発表した。連結売上高は前年同期比5.5%減の1050億4900万円、営業利益は同1.6%減の195億1500万円、経常利益は同1.9%減の210億4200万円と減収減益となった。ただ、広告宣伝費を30億円削減し営業利益を微減に留めた結果、純利益は同0.1%増の152億5800万円と増益を確保。

国内では、今春発売した、漢方薬「テイラック」、スティック芳香剤「Sawaday香るStick北欧」、トイレタンククリーナー「液体ブルーレット除菌効果プラス」など9品目の新製品が売り上げに貢献。また、新型コロナウイルス感染拡大に伴い開発された、マスク専用スプレー「のどぬ~るマスク ムレ感対策」スマホ除菌クリーナー「スマートフォンふきふき」といった、新しい生活習慣に対応した新製品も好調に推移した。既存品では、のどのウイルスや菌を殺菌する「のどぬ~るスプレー」、鼻うがい「ハナノア」、ニキビ・肌あれ予防の薬用ローション「オードムーゲ」などの売り上げが伸長した。

一方、訪日外国人の減少に伴ってインバウンド需要が大きく減少。さらに外出自粛や飲み会減少により、口中清涼剤「ブレスケア」や汗吸収シート「あせワキパット」などが減少した。その結果、国内事業の売上高は前年同期比4.1%減の885億4600万円、営業利益が同4.0%増の184億7700万円となった。

海外では、米国・中国・東南アジアを中心に、カイロや額用冷却シート「熱さまシート」、外用消炎鎮痛剤「アンメルツ」などを販売。新型コロナウイルスが感染拡大する中、広告や販売促進など積極的に投資し、各国で「熱さまシート」やメガネクリーナーなどの除菌・衛生関連用品の需要が高まった。一方で、ロックダウンや外出自粛の影響により、多くの国で売り上げが低迷。さらに世界的な暖冬により米国や中国、英国などでカイロが減収。その結果、国際事業の売上高は前年同期比13.1%減の146億300万円、営業利益が同72.8%減の3億1900万円となった。

なお、20年12月期の連結業績予想に変更はなし。売上高は前期比2.7%減の1540億円、営業利益は同0.9%増の259億円、経常利益は同0.9%減の276億円、純利益が同0.3%増の192億円。