ライオンの2025年12月期第2四半期業績は、売上高が前年同期比0.4%増の1994億5900万円、事業利益32.3%増126億3900万円、営業利益0.2%増の133億7900万円、親会社の所有者に帰属する中間利益3.2%減の96億900万円だった。売り上げは海外のうちタイ、マレーシアが増収をけん引した。

セグメント別の状況を見ると、オーラルヘルスケア分野、ビューティケア分野、ファブリックケア分野、リビングケア分野、薬品分野、その他の分野から成る一般用消費財事業は、売上高0.4%減の1217億3900万円、事業利益は52.4%増の91億3600万円。そのうちオーラルヘルスケア分野は、ハミガキが昨年4月に発売した「OCH-TUNE(オクチューン) ハミガキ」が前年同期を下回ったが、「システマハグキプラス ハミガキ」や「クリニカPROプロ ハミガキ」が好調に推移したことにより、全体の売り上げは前年同期を上回った。ハブラシは、「クリニカPROプロ ハブラシ」が好調に推移したが、「OCH-TUNE(オクチューン) ハブラシ」の反動減により、全体の売り上げは前年同期を下回った。デンタルリンスは、「NONIO(ノニオ) プラスホワイトニング デンタルリンス」が好調に推移したが、「OCH-TUNE(オクチューン) マウスウォッシュ」の反動減により、全体の売り上げは前年同期を下回った。これらにより同分野の売り上げは2.7%増の368億6200万円となった。

ビュ-ティケア分野では、ハンドソープは「キレイキレイ薬用ハンドコンディショニングソープ」が前年同期を大幅に上回り、全体の売り上げも前年同期を上回った。ボディソープは、「hadakara(ハダカラ)ボディソープ 泡で出てくるタイプ」が堅調に推移したものの、液体タイプが前年同期を下回り、全体の売り上げは前年同期を下回った。これらにより同分野全体の売り上げは2.5%増の121億3300万円となった。

ファブリックケア分野は、柔軟剤は「ソフラン プレミアム消臭」が前年同期を下回り、全体の売り上げも前年同期を下回った。洗濯用洗剤は、出荷価格の見直しを行った粉末洗剤が前年同期を下回り、全体の売り上げも前年同期を下回った。これらの結果、同分野の売り上げは3.7%減の266億3600万円となった。

リビングケア分野では、住居用洗剤は銀イオンの煙で除菌し新たなニオイの発生を防ぐという、新しいトイレ掃除の習慣を提案する新製品「ルックプラス トイレのまるごと除菌消臭くん煙剤」が好評を得たことに加え、浴室用洗剤「ルックプラス バスタブクレンジング」が堅調に推移し、全体の売り上げは前年同期を上回った。台所用洗剤は、「CHARMY Magica(チャーミー マジカ)」が前年同期を下回り、全体の売り上げも前年同期を下回った。これにより同分野全体の売り上げは0.8%増の102億6300万円だった。

薬品分野は、解熱鎮痛薬は「バファリン プレミアムⅮⅩ(ディーエックス)」が前年同期を大幅に上回ったが、「バファリンA」が前年同期を下回り、全体の売り上げは前年同期を下回った。点眼剤は、「スマイル40 プレミアム ザ・ワン」が前年同期を下回り、全体の売り上げも前年同期を下回った。足用冷却シートは「休足時間 足すっきりシート」が、ニキビ薬は「ペアアクネクリームW」が好調に推移し、全体の売り上げはそれぞれ前年同期を大幅に上回った。この結果、分野全体の売り上げは、昨年一部ブランドを譲渡した影響もあり、9.5%減の109億1800万円となった。ただ、譲渡の影響を除くと前年同期を上回った。

その他の分野は、ペット用品においてオーラルケア用品「PETKISS(ペットキッス)」が前年同期を大幅に上回るとともに、猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が順調に推移し、全体の売り上げは前年同期を上回った。これらにより同分野の売り上げは1.2%増の249億2400万円となった。

産業用品事業の売上高は8.4%増の286億9800万円、事業利益は2.2%減の14億6200万円だった。

海外事業は、売上高0.4%減の842億3700万円、事業利益は6.9%増の31億7600万円だった。東南・南アジアの売上高は5.4%増の515億4000万円、事業利益は26.1%増の27億5400万円、北東アジアの売上高は8.4%減の326億9700万円、事業利益は46.3%減の4億2200万円だった。

海外事業の中でもタイ、マレーシアは好調。売上高はそれぞれ6.3%増の333億6700万円、5.3%増の121億900万円となった。タイでは、洗濯用洗剤は、主力ブランドの「Pao(パオ)」で液体洗剤が好調に推移。ボディソープは、店頭での積極的なプロモーションにより「植物物語」が好調に推移した。マレーシアでは、洗濯用洗剤で液体洗剤「トップ」が、ハミガキでは重点育成に努めている「Fresh & White(フレッシュアンドホワイト)」がそれぞれ好調に推移した。

中国は為替の影響により売上高1.5%減の146億6100万円となった。ハミガキは、昨年現地生産品を発売した「クリニカ」が好調に推移し、また主力の「ホワイト&ホワイト」で、第2四半期に高付加価値の新製品を発売したが、同ブランドで収益性確保に向けた価格安定化施策を進めたこともあり、全体の売り上げは前年同期を下回った。ハブラシは、「システマ」の好調が売り上げを押し上げた。

韓国は日本向けの粉末洗剤の輸出が減少するなどグループ内の売り上げが大幅に減少したことから、売上高18.1%減の98億3100万円と大幅な減収。洗濯用洗剤は、主力ブランド「BEAT(ビート)」でカプセル洗剤が好調に推移したが、粉末洗剤が前年同期を下回った。ハンドソープは、「Ai! Kekute(アイ!ケクテ)」が順調に推移した。

25年12月期通期業績は、売上高は前年比1.7%増の4200億円、営業利益同23.3%増の350億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同17.9%増の250億円と前回予想を据え置いた。