ライオンの2024年12月期通期業績は、売上高が前年比2.5%増の4129億4300万円、事業利益30.8%増の263億3200万円、営業利益38.4%増の283億8700万円、親会社の所有者に帰属する当期利益44.9%増の211億9700万円と増収大幅増益となった。
セグメント別にみると、一般用消費財事業の売上高は2.1%減の2617億6000万円、事業利益は収益構造改革効果により161.7%増の125億5700万円の大幅増益だった。
同事業のうちオーラルケア分野では、ハミガキは「システマハグキプラス ハミガキ」や「NONIO(ノニオ)プラスホワイトニング ハミガキ」が好調に推移したことに加え、新ブランド「OCH-TUNE(オクチューン)ハミガキ」の発売もあり、全体の売り上げは前期を上回った。ハブラシは、「NONIOハブラシ」や「クリニカアドバンテージハブラシ」が好調に推移するとともに、「OCH-TUNEハブラシ」が加わり、全体の売り上げは前期を上回った。デンタルリンスは、「OCH-TUNEマウスウォッシュ」の発売に加え、「NONIOプラスホワイトニング デンタルリンス」が好調に推移したことにより、全体の売り上げは前期を大幅に上回った。これらの結果、分野全体の売り上げは、5.1%増の765億9800万円の増収だった。
ビュ-ティケア分野は、ハンドソープが、新香調が加わった高付加価値タイプ「キレイキレイ薬用ハンドコンディショニングソープ」が好調に推移し、全体の売り上げは前期を上回った。ボディソープは、「hadakara(ハダカラ)ボディソープ」が前期を下回り、全体の売り上げも前期を下回った。これらにより、分野全体の売り上げは、0.8%増の245億5400万円となった。
ファブリックケア分野は、柔軟剤は「ソフラン アロマリッチ」が堅調に推移したものの、「ソフラン エアリス」が前期を下回り、全体の売り上げは前期を下回った。洗濯用洗剤は、「NANOX(ナノックス)」ブランドが前期を下回り、全体の売り上げも前期を下回った。これらの結果、分野全体の売り上げは6.3%減571億900万円。
リビングケア分野のうち住居用洗剤は、浴室用洗剤「ルックプラス バスタブクレンジング」が堅調に推移したものの、浴室用カビ防止剤「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」が前期を下回り、全体の売り上げは前期を下回った。台所用洗剤は、「CHARMY Magica(チャーミーマジカ)」が順調に推移したが、事業効率化に向けた商品構成見直しの影響もあり、全体の売り上げは前期比微減。これらにより、分野全体の売り上げは、3.3%減の214億4900万円となった。
薬品分野は、解熱鎮痛薬で「バファリン プレミアムDXディーエックス」が好調に推移した一方で、「バファリン プレミアム」「バファリンA」が前期を下回り、全体の売り上げ前期を下回った。点眼剤は、「スマイル40ゴールド」シリーズが堅調に推移するとともに、新製品「スマイル40 プレミアム ザ・ワン」が加わり、全体の売り上げは前期を大幅に上回った。ニキビ薬は「ペアアクネクリームW」が、足用冷却シートは「休足時間 足すっきりシート」が好調に推移し、それぞれ全体の売り上げは前期を大幅に上回った。ただ、外用消炎鎮痛剤「ハリックス」およびドリンク剤「グロンサン」「グロモント」の各ブランドを譲渡したこともあり、分野全体の売り上げは、4.6%減の251億3200万円となった。
その他の分野は、ペット用品が猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が順調に推移するとともに、オーラルケア用品「PETKISSペットキッス」が堅調に推移した一方で、ギフト・ノベルティが市場縮小等のあおりを受けたこと、機能性食品事業の主力製品譲渡などもあり、分野全体の売り上げは6.2%減の569億1700万円となった。
産業用品事業は、売上高3.5%減の551億7200万円、事業利益6.8%減の28億700万円だった。
海外事業の売上高は11.4%増の1649億3100万円、事業利益18.7%増の101億9300万円と2桁増収増益だった。そのうち東南・南アジアの売上高は11.3%増の1007億7300万円、事業利益22.3%増の62億6200万円と大幅な増収増益。タイでは、洗濯用洗剤「Pao(パオ)」が堅調に推移するとともに、ボディソープ「植物物語」が順調に推移。マレーシアでは洗濯用洗剤「トップ」が順調に推移するとともに、ボディソープ「植物物語」が好調に推移した。
北東アジアの売上高は11.5%増の641億5800万円、事業利益13.4%増の39億3000万円と2桁増収増益。中国では、ハミガキ「ホワイト&ホワイト」が堅調に推移するとともに、ハミガキ「クリニカ」やハブラシ「システマ」が好調だった。韓国では洗濯用洗剤「BEAT(ビート)」や点眼剤「Eyemiru(アイミル)」の好調が増収に寄与した。
25年12月期通期業績は、売上高1.7%増の4200億円、事業利益13.9%増の300億円、営業利益23.3%増の350億円、親会社の所有者に帰属する当期利益17.9%増の250億円と増収大幅増益を見込む。