ライオンの2023年12月期通期業績は、売上高は前年同期比3.3%増の4027億6700万円、営業利益は28.9%減の205億500万円、税引前利益は28.5%減の223億7500万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が33.3%減の146億2400万円となり、増収減益となった。売上高は一般用消費財においてインバウンド需要により薬品が増収となったものの、ファブリックケアはわずかな増収にとどまった。海外はタイ、マレーシア、中国、韓国でそれぞれ大幅に伸長した。一方、利益面は競争費用の増加や本社移転に伴う一時費用の発生等により減益となった。

事業別にみると、一般用消費財事業の売上高は0.7%増の2673億8000万円、セグメント利益は58.1%減の47億9900万円となった。

オーラルケア分野の売上高は0.8%増の728億4700万円。ハミガキは、「クリニカPROプロハミガキ」や「NONIOノニオプラスホワイトニングハミガキ」が好調に推移したが、一部ブランドで販売促進の内容を見直したことなどから、全体の売り上げは前期を下回った。ハブラシは、新製品「LION電動アシストブラシ」を発売するとともに、ブラシ部にラバー素材を採用した新製品「クリニカPROハブラシラバーヘッド」が好評となり、全体の売り上げは前期を上回った。デンタルリンスは、「NONIOマウスウォッシュ」が前期を下回り、全体の売り上げも前期を下回った。

ビューティケア分野の売上高は8.1%減の243億4800万円。ハンドソープは、「キレイキレイ薬用ハンドコンディショニングソープ」が堅調に推移したが、市場縮小の影響を受け、全体の売り上げは前期を下回った。ボディソープは、「hadakaraボディソープ泡で出てくるタイプ」が順調に推移したものの、液体タイプが前期を下回り、全体の売り上げも前期を下回った。

ファブリックケア分野の売上高は1.4%増の609億5700万円。柔軟剤は、「ソフランプレミアム消臭」が前期を下回ったが、新製品「ソフランエアリス」が加わり、全体の売り上げは前期を上回った。洗濯用洗剤は、高い洗浄・消臭力と衣類本来の色を保つ機能を両立させた液体高濃度洗剤の新製品「NANOXone」を発売し、全体の売り上げは前期を上回った。これら新製品の導入による大幅な事業拡大を目指したが、目標には届かない水準で推移した。

リビングケア分野の売上高は6.1%減の221億8700万円。住居用洗剤は、トイレ用洗剤が前期を下回るとともに、浴室用洗剤「ルックプラスバスタブクレンジング」が伸びなやみ、全体の売り上げは前期を下回った。台所用洗剤は、「CHARMYMagica」が堅調に推移したが、食器洗い機専用洗剤「CHARMYクリスタ」が前期を下回り、全体の売り上げも前期を下回った。

薬品分野の売上高は4.8%増の263億4100万円。解熱鎮痛薬は、「バファリ プレミアムⅮⅩ」が好調に推移したが、「バファリンプレミアム」、「バファリンA」が前期を下回り、全体の売り上げも前期を下回った。点眼剤は、「スマイル40ゴールド」シリーズが堅調に推移し、全体の売り上げは前期を上回った。ニキビ薬は、「ペアアクネクリームW」が好調に推移し、全体の売り上げは前期を大幅に上回った。足用冷却シートは、インバウンド需要の回復により「休足時間足すっきりシート」が好調に推移し、全体の売り上げは前期を大幅に上回った。

その他の分野の売上高は4.9%増の606億9700万円。ペット用品は猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が堅調に推移するとともに、オーラルケア用品が好調に推移した。一方、ギフト・ノベルティはギフトが減収となった。

海外事業の売上高は14.5%増(為替変動の影響を除いた実質前期比は8.0%増)の1480億6700万円、セグメント利益は67.8%増の85億8700万円。東南・南アジア、北東アジアともに増収増益となり、海外売上高比率は33.3%に上昇した。

24年12月期通期業績は、売上高1.8%増の4100億円、営業利益は31.7%増の270億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は29.9%増の190億円と予想している。