ライオンの2020年12月期決算は、売上高は前期比2.3%増の3553億5200百万円、営業利益は47.7%増の440億7400万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は60.7%増の298億7000万円と増収増益となった。
売上高は10~12月は消費低迷の影響を受けた東南アジアで苦戦したものの、戦略的に競争費を投下した国内主力分野(オーラル、柔軟剤等)の増販により計画を達成した。
事業別にみると、一般用消費財事業は4.8%増の2454億9300万円、セグメント利益は25.5%増の246億4700万円だった。オーラルケア分野は、ハミガキで前期に発売した「システマ ハグキプラス プレミアムハミガキ」、新製品を投入した「システマEXハミガキ」、デンタルリンス「NONIO マウスウォッシュ」が好調に推移し前期を上回った。ビューティケア分野は、ハンドソープ「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ」が前期を大幅に上回る結果だったのに加え、オイルインタイプを追加した「hadakara 」が順調に推移した。リビングケア分野は、台所用洗剤「CHARMY Magica」や食洗機用洗剤「CHARMYクリスタ」、住居用洗剤においても浴室用洗剤「ルックプラス バスタブクレンジング」、浴室用カビ防止剤「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」が需要を取り込み、大幅増となった。苦戦したのは「ファブリックケア分野と薬品分野。前者は競争激化で微減、後者は外出自粛やインバウンド消失のあおりを受けた。
海外は、東南アジアは為替変動の影響を受け前期を下回った。一方、韓国では、ハンドソープが前期を大幅に上回り増収。中国では、「システマ」ハブラシが好調に推移するとともに、ハンドソープや日本からの輸入品の販売が大幅に増加した。これらの結果、海外売り上げ全体では0.5%増の1016億5100万円となった。
21年通期見通しは、売上高は2.7%増の3650億円、営業利益は31.9%減の300億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は29.7%減の210億円を見込む。コスト削減などに努めるが、植物油脂や原油等の価格、競争費用の増加など利益圧迫要因も想定し、減益の見通し。