化粧品・日用品メーカー10社の2023年第2四半期決算が出そろった。3年にわたるコロナ禍の収束を見て、全社とも反転攻勢に向けた戦略を加速した23年上期は、国内においては原材料価格高騰を受けた値上げの進展が売り上げを押し上げた一方で、コロナ下の巣ごもり需要を取り込んだ高付加価値品や入浴剤などのカテゴリーはライフスタイルの転換期における習慣化・定着化の課題が露見。変化を見据えたフレキシブルな対応力を早急に備える必要に迫られている。

国内市場の回復とともに、各社が成長ドライバーとして掲げるのは海外事業の成長・拡大。売り上げ構成比67.5%と海外比率が最も高いユニ・チャームをはじめ、世界最大の人口を抱える中国市場、ASEANやバングラデシュをはじめとした南アジアなど、今後の成長が期待される市場に各社が積極的に展開しはじめている。成熟市場であり、人口縮小に向かっている日本市場では大きな成長が見込めないなかで、海外客に向けた戦略強化はもはや定石となっている。

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