ライオンの2024年12月期第1四半期決算は、売上高は前年同期比2.3%増の929億6500万円、営業利益107.2%増の48億9300万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が124.9%増の35億4800万円と、増収増益となった。売上高は主力の一般用消費財事業、産業用品事業が減収となった一方で、海外事業の増収がこれをカバーし、増収。利益面では売上増による粗利増やトータルコストダウンにより増益となった。

一般用消費財事業の売上高は3.6%減の578億9500万円、事業利益は111.7%増の22億3100万円だった。

分野別にみると、オーラルケア分野の売上高は1.7%増の156億9000万円。ハミガキは、「NONIOプラスホワイトニング ハミガキ」や「システマハグキプラス プレミアムハミガキ よくばりな美白」が好調に推移したものの、一部ブランドの販売戦略の見直しにより、全体の売り上げは前年同期比微減となった。ハブラシは、「クリニカアドバンテージ ハブラシ」が好調に推移し、全体の売上は前年同期を上回った。デンタルリンスは、「NONIOプラスホワイトニング デンタルリンス」が好調に推移。これらにより分野全体の売り上げは前年同期を上回った。

ビューティケア分野の売上高は2.3%減の53億6000万円。ハンドソープは、キレイキレイブランドが前年同期を下回った。ボディソープは「hadakaraボディソープ 泡で出てくるタイプ」が堅調に推移したものの、液体タイプが前年同期を下回った。これらの結果、分野全体の売り上げは前年同期比微減となった。

ファブリックケア分野の売上高は6.9%減の129億3900万円。洗濯用洗剤は、昨年「NANOX one」を発売した液体高濃度洗剤が順調に推移した一方で、柔軟剤で「ソフラン プレミアム消臭」が前年同期を上回ったものの、「ソフラン アロマリッチ」が前年同期を下回ったことなどで足を引っ張った。

リビングケア分野の売上高は12.2%減の43億7500万円。住居用洗剤で浴室用カビ防止剤「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」が前年同期を下回ったほか、台所用洗剤で「CHARMY Magica」が前年同期を下回ったこと、昨年の一部商品の販売終了が分野全体の売り上げを引き下げた。

薬品分野の売上高は1.4%増の56億200万円。解熱鎮痛薬は「バファリン プレミアムⅮⅩ」が前年同期を大幅に上回ったほか、点眼剤で眼疲労・かすみ・充血・かゆみのこれらすべての症状を治す新製品「スマイル40 プレミアム ザ・ワン」シリーズの好評、ニキビ薬における「ペアアクネクリームW」や足用冷却シート「休足時間 足すっきりシート」が好調に推移した。

その他の分野の売上高は昨年、機能性食品事業を終了したこともあり5.4%減の139億2700万円の減収となった。

産業用品事業の売上高は11.3%減の130億4900万円、事業利益は22.5%減の7億8200万円。モビリティ分野では、タイヤ用ゴムの防着剤が順調に推移。エレクトロニクス分野では、二次電池用導電性カーボンが前年同期を下回った。業務用洗浄剤分野では、ハンドソープが前年同期を上回った。

海外事業の売上高は16.0%増(為替変動の影響を除いた実質前年同期比8.7%増)の397億4600万円、事業利益は40.8%増の22億600万円となった。地域別の状況を見ると、東南・南アジアの売上高は15.0%増(為替変動の影響を除いた実質前年同期比8.4%増)、事業利益は64.9%増だった。タイでは、洗濯用洗剤「Pao」が順調に推移するとともに、ボディソープ「植物物語」が好調に推移した。また、マレーシアでは洗濯用洗剤「トップ」が前年同期を大幅に上回った。

北東アジアの売上高は、17.6%増(為替変動の影響を除いた実質前年同期比9.2%増)、事業利益は10.3%増となった。中国では、販売エリアの拡大に継続して取り組んだことにより、ハミガキ「ホワイト&ホワイト」が好調に推移した。また、韓国では、洗濯用洗剤「BEAT」が順調に推移するとともに、点眼剤「Eyemiru」が前年同期を大幅に上回った。

24年12月期通期業績は、売上高1.8%増の4100億円、営業利益は31.7%増の270億円、親会社の所有者に帰属する当期利益29.9%増の190億円と、前回公表した予想を据え置いた。