ライオンの2024年12月期第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比1.7%増の3011億5900万円、営業利益が36.7%増の171億900万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は43.1%増の126億6400万円と、増収増益だった。
セグメント別にみると、一般用消費財事業は売上高3.9%減の1887億8500万円。オーラルケア分野とビューティケア分野で増収となったものの、ファブリックケア、リビングケア、薬品、その他の各分野で売り上げが前年同期比減だったことが響いた。セグメント利益は、事業譲渡益の計上等により171.3%増の83億6000万円の増益となった。
分野別にみると、オーラルケア分野の売上高は4.8%増の543億8500万円。ハミガキは「システマハグキプラス ハミガキ」や「NONIOプラスホワイトニング ハミガキ」が好調に推移したことに加え、新ブランド「OCH-TUNE(オクチューン)ハミガキ」の発売もあり、全体の売上は前年同期を上回った。ハブラシは、「NONIO ハブラシ」や「クリニカPRO ハブラシ」が好調に推移するとともに、「OCH-TUNEハブラシ」が加わり、全体の売り上げは前年同期を上回った。デンタルリンスは、「OCH-TUNEマウスウォッシュ」の発売に加え、「NONIOプラスホワイトニング デンタルリンス」が好調に推移したことにより、全体の売り上げは前年同期を大幅に上回った。
ビューティケア分野の売上高は0.4%増の180億8400万円。ハンドソープは「キレイキレイ薬用ハンドコンディショニングソープ」が好調に推移し、全体の売り上げは前年同期を上回った。ボディソープは「hadakara ボディソープ」が前年同期を下回り、全体の売り上げも前年同期を下回った。
ファブリックケア分野の売上高は、12.0%減の410億6800万円。柔軟剤は、改良発売した「ソフラン プレミアム消臭」が堅調に推移したが、「ソフラン エアリス」が前年同期を下回り、全体の売り上げは前年同期を下回った。洗濯用洗剤は、23年9月に発売した液体高濃度洗剤「NANOX one」の反動もあり、全体の売り上げは前年同期を下回った。
リビングケア分野の売上高は4.6%減の150億7500万円。住居用洗剤は、浴室用カビ防止剤「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」が前年同期を下回り、全体の売り上げも前年同期を下回った。台所用洗剤は「CHARMY Magica(チャーミーマジカ)」が順調に推移したが、事業効率化に向けた商品構成見直しのため、一部商品の販売を23年に終了したこともあり、全体の売り上げは前年同期比微減となった。
薬品分野の売上高は1.9%減の185億6300万円。解熱鎮痛薬は「バファリン プレミアムDX(ディーエックス)」が好調に推移したが、「バファリン プレミアム」、「バファリンA」が前年同期を下回り、全体の売り上げは前年同期を下回った。点眼剤は、「スマイル40ゴールド」シリーズが堅調に推移するとともに、眼疲労・かすみ・充血・かゆみのこれらすべての症状を治す新製品「スマイル40 プレミアム ザ・ワン」が加わり、全体の売り上げは前年同期を大幅に上回った。ニキビ薬は「ペアアクネクリームW」が、足用冷却シートは「休足時間足すっきりシート」が、好調に推移し、それぞれ全体の売り上げは前年同期を大幅に上回った。なお、当第3四半期中に、外用消炎鎮痛剤「ハリックス」およびドリンク剤「グロンサン」、「グロモント」の各ブランドを他社に譲渡した。
その他の分野の売上高は、8.0%減の416億800万円。ペット用品は、オーラルケア用品「PETKISS(ペットキッス)」や猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が堅調に推移し、全体の売り上げは前年同期を上回った。ギフト・ノベルティは、市場縮小等の影響を受け、前年同期を下回った。分野全体の売り上げは、23年に機能性食品事業を終了したこともあり減収となった。
産業用品事業の売上高は5.7%減の402億7500万円、セグメント利益は11.4%減の22億2800万円と減収減益だった。モビリティ分野ではタイヤ用ゴムの防着剤が順調に推移し、全体の売り上げは前年同期を上回った。エレクトロニクス分野では二次電池用導電性カーボンが前年同期を下回り、全体の売り上げも前年同期を下回った。業務用洗浄剤分野では衣料用洗剤が好調に推移するとともに、ハンドソープも順調に推移し、全体の売り上げは前年同期を上回った。
海外事業の売上高は12.5%増の1233億1500万円、セグメント利益は21.5%増の72億5700万円となった。同事業の状況を地域別にみると、東南・南アジアは売上高12.0%増の748億9100万円、事業利益32.2%増の45億900万円と大幅な増収増益。タイでは洗濯用洗剤「Pao(パオ)」が堅調に推移するとともに、ボディソープ「植物物語」が順調に推移した。マレーシアでは洗濯用洗剤「トップ」やボディソープ「植物物語」が好調だった。北東アジアの売り上げは13.2%増の484億2300万円、事業利益7.1%増の27億4800万円と増収増益。中国では、ハミガキ「ホワイト&ホワイト」が堅調に推移するとともに、ハミガキ「クリニカ」やハブラシ「システマ」が好調に推移した。韓国では洗濯用洗剤「BEAT(ビート)」や点眼剤「Eyemiru(アイミル)」が好調だった。
建設請負事業などのその他の事業の売上高は19.9%減の124億4700万円となった。
24年12月期通期業績は、売上高1.8%増の4100億円、営業利益31.7%増の270億円、親会社の所有者に帰属する当期利益29.9%増の190億円と、前回公表した予想を据え置いた。