コーセーは、汗・皮脂に強く、真夏のような高温多湿でもまつ毛のカールが落ちにくく、24時間のカールキープをかなえるマスカラを開発した。強靭さと柔軟さを兼ね備えた同社独自の化粧もち素材「架橋型MQレジン」をマスカラに応用することで、まつ毛の形状を維持しながらもひび割れにくく、汗や湿気にも強いコーティングを実現した。

近年の夏は過酷な蒸し暑さが連日続くだけでなく、その期間も長期化している。メイクユーザーにとってはこの時期の高温多湿や汗・皮脂による化粧くずれが大きな悩みであり、まつ毛を美しくカールさせることが求められるマスカラにおいても、徐々にカールが下がってしまうことが課題だった。そこで夏のような高温多湿な環境下でも長時間カールキープできるマスカラの開発に挑戦した。

同社は高温多湿でまつ毛のカールが落ちてしまう原因の一つが、マスカラによる化粧膜の微細なひび割れにあると考えた。本来、ワックスなどの成分で構成されるマスカラは水分を通さないが、カール形状を維持するために化粧膜を硬くするとひび割れしやすくなり、そこから汗や湿気などの水分が侵入することで構造が崩れてしまう可能性がある。

そこで強靭さと柔軟さを兼ね備えた化粧膜が必要であると考え、同社のフィックスミスト「メイク キープ ミスト EX +」に応用されている、同社独自の化粧もち素材「架橋型MQレジン」をマスカラに配合した。疑似まつ毛上での膜の状態を確認すると、従来のシリコーン樹脂はひび割れているのに対し、「架橋型MQレジン」はひび割れることなく、疑似まつ毛を均一にコーティングできていることが確認できた(図1)。

図1:架橋型MQレジンと従来シリコーン樹脂の疑似まつ毛上の化粧膜の観察

さらに、この素材をまつ毛のカール力に優れるワックスや、汗・皮脂への耐久性が高い樹脂と最適な比率で組み合わせることで、新たなマスカラ製剤を開発した。

疑似まつ毛にマスカラを塗布し、40℃かつ湿度80%RH(東京における近年の8月の平均湿度相当)の高温多湿条件におけるカールキープ力を観察した。開発品を使用した疑似まつ毛は、従来品と比較して24時間後でも形状・角度ともにカールを維持できていることが分かった(図2)。

図2:40℃・湿度80%RHにおけるカールキープ試験

また、開発品を実際にまつ毛に使用した際のカールキープ力を検証した結果、24時間後でもカールを維持できていることが分かった。同時に実施したアンケートにおいて、汗・皮脂・湿気にも強いという評価が得られた。

さらに、より過酷な状況におけるカールキープ力を確認するため、疑似まつ毛に開発品と従来品を塗布し、フェイススチーマーで約40℃の蒸気をあて続けた。開発品を使用した疑似まつ毛は、従来品と比較して、水蒸気を浴び続けた後でもカールをキープできていることが分かった。