コーセーの2023年12月期第2四半期業績は、売上高が前年同期比10.5%増の1442億9500万円、営業利益44.5%増の104億2000万円、経常利益7.2%減の140億6200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益2.1%減の86億9700万円と、2桁増収、営業利益は大幅な増益となった。
事業別にみると、化粧品事業は、ハイプレステージにおいて「コスメデコルテ」が韓国で苦戦したが、日本では引き続き好調に推移したほか、メイクアップブランドの「ジルスチュアート」「アディクション」が伸長した。欧米で展開する「タルト」は、主力商品とともに新商品が増収に寄与した。プレステージの主力ブランド、「雪肌精」や「ONE BY KOSÉ」も回復基調が継続している。これらの結果、売上高は10.8%増の1170億2100万円、営業利益は17.0%増の116億6200万円と堅調だった。
コスメタリー事業は、「ヴィセ」やコーセーコスメポートの「クリアターン」などが好調で、売上高は8.6%増の262億4600万円、営業利益は11億5300万円と前年同期の赤字から黒字転換した。
その他の事業は、ホテルやゴルフ場向けアメニティ製品の販売が増加したため、売上高20.0%増の10億2700万円、営業利益はマーケティングコストの増加により3.1%減の4億4100万円となった。
地域別売上高は、日本は百貨店・専門店チャネルにおけるハイプレステージは引き続き好調に推移し、ドラッグストアなどのマスチャネルにおいても、プレステージの主要なスキンケアブランドは回復基調にあり、メイクアップブランドに関しても強い需要が見られ、15.5%増の875億2500万円となった。
アジアは、中国では期初からの需要回復の遅れの影響を受けたのに加え、Eコマースでは6.18セールにおいて前年同期比で増収となったものの第2四半期累計では伸び悩み、トラベルリテールでは減収となった。加えて、韓国のトラベルリテール事業で流通側の仕入れ抑制により大幅な減収となったこともあり、11.5%減の319億4100万円となった。
北米・その他のうち、北米においてはタルトがSNSでのプロモーションを通じて新商品の売り上げを伸ばしたのに加え、店舗数の拡大および円安進行の影響により、31.2%増の216億7000万円。欧州などのその他では、タルトが牽引し、41.1%増の31億5700万円となった。
23年12月期通期業績は、売上高5.5%増の3050億円、営業利益5.1%減の210億円、経常利益28.5%減の203億円、親会社株主に帰属する当期純利益29.1%減の133億円と前回予想からの変更はない。