2021年12月期第2四半期業績は、売上高1229億3300万円、営業利益87億8900万円、経常利益97億1800万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は54億5900万円となった。前年度会計基準で同期間の比較をするとそれぞれ0.4%増、121.0%増、142.3%増、78.1%増と、業績は回復基調にある。

前年度会計基準でみたセグメント別業績は、化粧品事業の売上高が4.1%増の998億600万円、営業利益は33.2%増の124億5300万円と増収増益となった。ハイプレステージブランドでは、「デコルテ」が引き続き中国・日本で売上が拡大し、「アルビオン」やメイクブランドの「アディクション」、「ジルスチュアート」等の日本売り上げが伸長。また、プレステージブランドでは「雪肌精」の日本売り上げも堅調だった。

コスメタリー事業は、売上高12.3%減の222億6100万円、営業利益は12億5800万円の欠損だった。ヘアケアブランドの「スティーブンノル ニューヨーク」、コーセーコスメポートの「サンカット」「ソフティモ」「クリアターン」が好調に推移したものの、コーセーコスメポートのヘアケアブランドが苦戦した。

地域別売上高は、日本が1.5%減の708億1500万円だった。ハイプレステージブランドを中心に販売している専門店、百貨店チャネルが昨年の反動により好調に推移したのに加え、メゾンコーセーを中心としたEコマースも引き続き好調に推移したが、それ以外の主要なチャネルで苦戦したことが売り上げを押し下げた。

アジアは1.4%増の364億5900万円。中国は、百貨店チャネルが引き続き好調に推移し、Eコマースも6.18のセールにて第1四半期の遅れを取り戻したが、海南島を中心とした免税事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた。韓国は、商品供給不足により厳しい状況だった。

北米は7.9%増の140億1600万円だった。タルトは、カナダではロックダウンが解除され6月末時点で全店営業を再開し、米国では入店客数制限やテスター使用制限が徐々に解除される中、コンシーラーやマスカラなど主力商品の強化により、店頭での販売が好調に推移。自社ECについては、昨年はロックダウンにより売り上げ構成比が急拡大したが、店頭の営業再開により新型コロナウイルス感染拡大前の状況に戻っている。

通期業績は、売上高は5.9%減の2240億円、営業利益は20.0%減の160億円、経常利益は16.6%減の171億円、親会社株主に帰属する当期純利益は14.8%減の121億円と、4月30日に公表した予想からそれぞれ140億円、40億円、34億円、21億円、引き下げた。売上高は、中国およびタルトが年初計画通りに推移したものの、日本で新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う緊急事態宣言やまん延防止重点措置等が発出されるなど、外出自粛による消費意識の低下により、当初計画を下回る見込み。利益は、売上高の減少に伴い売上総利益が減少したことにより、当初計画を下回る見通し。