ライオンは11月8日、2017年12月期第3四半期決算概要についての記者懇談会を実施した。その席で濱逸夫代表取締役社長執行役員が経営状況について説明した。

高価格帯、高付加価値品が牽引し過去最高を更新

第3四半期累計の業績は、売上高は前年同期比3.8%増の3011億4200万円、営業利益8.6%増の206億9700万円、経常利益9.3%増の221億2200万円。売上高、利益ともに過去最高を更新しました。

業績向上を牽引したのが、国内の一般消費財事業です。特に成長のエンジンとなったのが、われわれがここ数年来、力を入れている高価格帯、高付加価値品の商品。オーラルケア、ビューティケア、薬品、ファブリックケア、リビングケアにおいて、いずれも新製品・高付加価値品が好調に推移しました。

オーラルケア分野の2017年7~9月の高価格帯の市場を見ると、500円以上のハミガキが牽引して前年同期比107%。当社では、「クリニカキッズハブラシ」が前年比309%、「デントヘルスハブラシ」が同116%。8月23日に発売した「NONIO」のハミガキが160%と計画比を大きく上回る勢いの売れ行きを見せています。

ビューティケア分野においては、「hadakara」のボディソープ、「キレイキレイ泡ハンドソープ」が好調に推移しています。薬品分野では、9月20日に発売した新製品の「スクラートG」が計画比117%、「バファリン」が引き続き好調に成長。ファブリックケアでは洗濯洗剤の「HYGIA」、柔軟剤の「ソフランアロマリッチ」が、リビングケアにおいても「ルックお風呂の防カビくん煙剤」が前年同期比139%と非常に好調でした。

国内のトピックスは、ライオンのオーラルケアとしては7年ぶりの新ブランド「NONIO」の発売です。口臭科学から生まれた商品で、若年層に洗口液を広げて、市場を拡大することを目的に出しています。いかに若年層の興味を引き出すかが、マーケティングとしての大きな取り組みとなります。応援で大声を出すシーンが多いスポーツ観戦、非常に近い距離で会話を行う機会が多い映画館などで、サンプリングを実施し、若者との接点を拡大しました。また口臭科学研究所というWEBサイトを開設。口臭にまつわる情報を発信しています。こういうサイトに誘導することによって、若者の口臭に対する興味を喚起し共感してもらい商品を使用してもらう。所謂、共感マーケティングに力を入れています。

日本におけるマウスウォッシュの使用率は30%とまだ少ないのが現状です。そういう状況の中、6カ月間、マウスウォッシュをまったく使用しなかった人の「NONIO」の購入率を世代別に見ると、50代以上の購入率よりも、われわれがメインターゲットにしている20~29歳の若者が高く、64%の方に買っていただきました。その結果、「NONIO」の発売後の当社の洗口液販売規模は、前年同期比158%と大幅に拡大しています。まだまだ使用率は少ないですが、既存市場とカニバリせずに新しい市場を作ることでさらに拡大していきたいと思っております。

もう一つのトピックスは、ウエルネス・ダイレクト事業。生命科学、生活科学でアクティブで健康な生活を応援することを目的に事業がスタートして10年が経ちました。そして今年、事業拡大の2大アクションとして機能性表示食品の拡充と、「新領域」のエイジングスキンケアの進出に取り組んでいます。機能性表示食品では9月26日に「歩むチカラ」を、10月11日には「グッスミンGABAのちから」を発売。エイジングスキンケアでは9月26日に「felizona リッチホワイトニング エッセンス(医薬部外品)」を発売しました。

海外はパーソナルケアにシフトして成長トレンドに

続きまして海外。これまでは洗剤を中心としたホームケアが中心でしたが、グローバルブランドを育成しながらパーソナルケアにシフトしており、海外事業は成長トレンドを続けています。

中国はシステマが牽引し売上高は前年同期比119%、韓国は、キレイキレイ、ラクトフェリンが好調で111%、タイは106%、マレーシア108%と主要各国の売上成長率は、17年GDP予測成長率を上回り成長を実現しています。

中国のクリニカの成功事例です。日本で生産したものを中国に輸出して販売していますが、この7月に中国向けのパッケージ品を新たに発売しました。ライオンの中国名は「獅王」、クリニカの漢字商標として「歯力佳」をパッケージに入れ販売しています。「日本製」と「酵素配合」が中国人には人気で、一般的なハミガキに対して2倍前後の価格ですが、非常に好調な売れ行きを見せています。

ハブラシについても、中国と台湾でシステマの特徴的なハブラシを出して、これも売上げが好調に伸びています。中国では幅広ヘッドの「システマワイドヘッドハブラシ」を9月に発売。これは日本のビトイーン贅沢ケアのシステマ版。これも中国の通常のハブラシの2倍前後の価格で売られています。

台湾では薄型ヘッドのシステマ「細潔 無隱角(シージエ ウーインジャオ)」が非常に好調に動いていて、今年7月に発売した、抗菌イメージのある炭を練り込んだチャコール用毛のシステマ「炭歯ブラシ」がさらに売上げを押し上げています。

インドネシアにおいては、ビューティケア商品が大きく拡大しています。ただ、欧米系のメーカーを中心に高価格帯の商品が多く目立ちますので、われわれは、ちょっと下の価格帯の中間所得層に向けたダメージケア商品「セラソフト」を6月に新しいブランドとして投入しています。日本で開発した傷んだ髪を内側と外側から補修する有効成分「DGA」を配合した商品で、計画比140%と非常に好調に動いています。

2017年連結業績予想は売上高4050億円、営業利益270億円で二桁成長、4期連続の最高益更新を狙っているところでございます。★

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