豊富な美容知識を持つ生活者の増加
化粧品の選択肢に新たな基準が加わった。ブランドの世界観、心地よい使用感、価格、口コミは、いまも重要な判断材料である。だが、それだけでは生活者の納得を得にくくなった。どのような成分が配合され、どのような処方技術に基づき、肌にどう働くのか。生活者は、その裏付けまで確かめようとしている。化粧品を選ぶ基準は、感性に加え、科学的な根拠へと広がり始めている。
背景には、美容医療の大衆化がある。矢野経済研究所によれば、国内の美容医療市場は2023年に5940億円規模となった。日本美容外科学会の全国美容医療実態調査でも、24年の美容医療施術数は、前年比2.9%増の305万8488件(回答施設の回収分合計)である。ホットペッパービューティーアカデミーの調査では、20代男性の1年以内の美容医療利用率が同年代女性を初めて上回った。シミ、くすみ、毛穴、たるみ、ニキビ跡などの悩みに対応する美容医療は、美容感度の高い一部の人だけが受ける特別な行為ではなくなりつつある。
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