日本メナード化粧品は、6月25~26日に開催された第51回日本香粧品学会学術大会にて、独自の技術で個人の肌質と顔形状を再現した人工皮膚モデルの研究成果について発表し、会頭賞(※1)を受賞した。同研究成果は、より一人一人に適した化粧品や美容サービスの開発を加速させる技術として期待される。発表演題は『個人の肌質と顔形状を再現した顔型培養皮膚モデルの開発と応用性について』。

肌質や顔形状には個人差があり、化粧品成分や紫外線に対する感受性、シワのでき方なども一人一人で異なる。そのため近年では、個人の肌質に応じた化粧品成分の有効性・安全性の評価、皮膚の老化研究が進められている。これらの研究には、人の皮膚を模した人工皮膚モデルが用いられているが、従来のモデルでは個人ごとの肌質を十分に再現することができなかった。

今回メナードは、個人の抜去毛から採取した毛包幹細胞を用いて、表皮層と真皮層を備え、その人由来の細胞と遺伝的特性を反映した人工皮膚モデルの作製に成功した。メナードはこれまでに、個人の毛髪の幹細胞(毛包幹細胞)から個人の顔形状を再現したモデルの作製技術を開発している。しかし、この毛包幹細胞を用いた従来の方法は、表皮のみしか形成できないという課題があった。今回、毛包幹細胞の培養技術を改良したことで、表皮と真皮の両方を形成できるようになり、これまで以上に個人の実際の皮膚に近いモデルの作製が可能になった。

図1:個人の肌質(表皮・真皮)と顔形状を再現した新たな人工皮膚モデルの開発

さらに、これまでに確立した顔形状を再現する人工全顔皮膚モデルの作製技術と組み合わせることで、個人の肌質と顔形状の両方を再現した人工皮膚モデルを作製することが可能になった。

成分評価の一例として、同技術で作製した人工皮膚モデルを用いて霊芝抽出物の効果を検証した。モデルに紫外線を照射する際に霊芝抽出物を添加すると、紫外線ダメージが軽減されることを確認した。このことから、個人の肌質・顔形状を考慮した成分の有効性や安全性の評価に有用であることが示唆された。

図2:同技術で開発したモデルを用いた成分の有効性評価例

同技術により、個人ごとの皮膚老化メカニズムの解明や、化粧品成分の有効性・安全性評価をより高精度に行うことが可能になる。さらに、一人一人の肌に適した化粧品や美容サービスの開発など、パーソナライズドビューティーへの幅広い応用が期待される。

 

※1:日本香粧品学会の学術大会において、独創的で香粧品分野の将来を担うことが期待される研究発表に対して贈られる賞。