資生堂は、5月20~22日に中国・広東省広州市で開催された、中国香料香精化粧品工業協会(China Association of Fragrance Flavour and Cosmetic Industries,CAFFCI)が主催する2026中国化粧品科学技術大会における優秀論文として、138件の論文エントリーの中から「1等賞」、「2等賞」、「3等賞」2件、「優秀賞」を受賞した。また、同協会が主催し4月21~23日に中国・江西省吉安市で開催した2026中国香料香精科学技術大会において、71件の論文エントリーの中から「2等賞」を受賞した。

これらの受賞は研究内容に加え、中国化粧品業界の技術進歩への貢献が評価されたもので、今回、二つの大会において同社がエントリーした6件の論文全てが受賞した。このうち「1等賞」を受賞した論文を含む2件は、中国現地の研究所で企画・推進まで全てをリードし創出された技術に関するものである。

また、各分野で最も優秀な研究に贈られる「1等賞」については、資生堂として通算10回目の受賞となる。資生堂は、これらグローバルな研究開発ネットワークを生かして生み出された最新研究や高い技術を、グローバルに展開する「SHISEIDO」や「エリクシール」などの化粧品開発へ幅広く活用していくとしている。

授賞式にて1等賞を受け取る佘琛(シェー チェン)研究員

1等賞を受賞した研究論文のタイトルは、「皮膚老化を制御する新規因子の発見:真皮-表皮の恒常性維持に向けた、テロサイトによるWNTシグナル経路調節の動的メカニズム」。発表者は資生堂中国イノベーションセンターの佘琛(シェーチェン)研究員だ。

論文では皮膚老化に着目。皮膚の老化は、細胞間のコミュニケーションが破綻することで進行することが知られている。近年、「テロサイト(以下、TC)」と呼ばれる細胞が、さまざまな臓器・組織の細胞間コミュニケーションにおいて重要な役割を担っていることが明らかになってきたが、TCの皮膚内部での働きや老化との関係性は明らかになっていなかった。同研究では、若齢層および高齢層の皮膚を比較解析することで、TCが加齢に伴って顕著に減少していることを発見した。

さらに、若齢層と高齢層のTC及び表皮細胞の遺伝子発現を解析したところ、若齢層のTCは表皮細胞とコミュニケーションし、肌のターンオーバーや紫外線防御機能に関わる遺伝子発現を高めることを明らかにした。これらの発見は、TCが肌本来の若々しさを保つための重要な役割を担っていることを示唆している。同研究成果により、TCを介した「細胞間コミュニケーションの活性化」という新たな視点から、画期的なエイジングケアソリューションの実現が期待される。

大会主催のCAFFCIはエッセンス・香料、化粧品および化粧品の原料、機器、包装、関連研究開発、デザイン、教育などの企業、機関、および個人で構成された非営利団体だ。中国化粧品科学技術大会は年に一度(25年以降、毎年開催に変更)開催される、化粧品に関する研究発表と学術討論の一大発表会であり、論文賞には、中国国内外の多くの企業・大学・研究機関が参加し、中国化粧品産業の技術進歩に貢献する優秀な論文が選考されている。また、25年よりフレグランス部門は、中国香料香精科学技術大会として独立して開催されている。