2023年9月4~7日にスペイン・バルセロナで化粧品技術を競う世界最大の研究発表会「第33回国際化粧品技術者会連盟バルセロナ大会2023」が開催。全 449件の研究報告(口頭発表 76件、ポスター発表373件)がなされた。

そのうち、資生堂は 「最優秀賞」をダブル受賞。資生堂 ヨーロッパイノベーションセンター Aline Robert-Hazotte研究員が「ヒトにおける感情コミュニケーションを深く理解する:体臭を介したポジティブ感情の伝達に関する研究」をテーマに口頭発表基礎部門で、資生堂 みらい開発研究所の福原隆志研究員が「ミネラルサンスクリーンの新奇設計戦略:肌上でUV防御能と透明性を向上する無機UV防御剤の動的均一化」をテーマに口頭発表応用部門で、いずれも「最優秀賞」を受賞した。

Aline Robert-Hazotte研究員

福原隆志研究員

今回の受賞は、2022 年まで隔年で開催されてきた「IFSCC Congress」とその間の年に開催されてきた「IFSCC Conference」を含めると通算31回目(うち最優秀賞は27回)となり、世界の化粧品メーカーの中で最多の受賞回数となる。

また、マンダムの先端技術研究所 ライフサイエンス研究グループ マネジャー 原武史氏(大阪大学大学院薬学研究科 招へい准教授)が、マンダムと大阪大学の共同研究である研究テーマ「次世代の制汗技術:ヒトエクリン汗腺の収縮を制御」を発表。ポスター部門で「最優秀賞」を受賞した。

同会では、コーセーも数々の研究成果を発表した。コーセー研究所スキンケア製品研究室 田口冴恵氏は北海道情報大学向田茂研究室との共同研究として「化粧品を用いたシワのパーツケアで対人印象を変えられること」を実証。コーセー研究所先端技術研究室兼コーセー情報統括部帯金駿氏は「量子コンピュータを用いた処方自動生成システム適用範囲のマスカラリムーバーへの拡張」の成果を、コーセー研究所メイク製品研究室 鶴見(石附)奈央氏は、東京工業大学渡辺義浩研究室との共同研究により開発した、「プロジェクションマッピングを用いてまるで実際にメイクをしているようなMR(Mixed Reality、複合現実)体験ができるメイクシミュレーション技術」を発表した。MRメイクシミュレーション技術については、口頭発表応用部門におけるトップ10にも選出されている。