クラシエは、独自の発酵成分を多層リポソームに内包した新浸透技術「リポソーム発酵ドリップ™」を開発した。発酵成分とリポソーム技術を組み合わせることで、従来は浸透が難しかった水溶性発酵成分を角層へ効率的に届け、うるおいの持続やバリア機能のサポートにつなげる技術で、今秋発売予定のスキンケア新製品への採用を予定している。

今回の研究では、米麹抽出液と豆乳発酵液という2種の発酵成分に着目。米麹抽出液は高い保湿持続効果、豆乳発酵液はコラーゲン産生促進など美肌効果を持つ成分として選定。結婚や出産などライフステージの変化によって肌状態が揺らぎやすい30代女性の肌を想定し、組み合わせを設計した。

特徴は、発酵成分を多層リポソーム内に封入することで、浸透性と持続性を両立した点だ。リポソームはリン脂質から成るカプセル構造で、細胞膜との親和性が高いことから、近年は化粧品分野でも注目されている技術だ。クラシエでは今回、約100nmの多層リポソーム構造を形成し、その内部に2種の発酵成分を同時に封入する独自設計を採用した。

クラシエビューティケア研究所第三研究部フェイシャルグループ上級研究員の満田るな氏

クラシエビューティケア研究所第三研究部フェイシャルグループ上級研究員の満田るな氏は、「多層リポソームは外側から徐々に膜が崩れていくため、美容成分をゆっくり放出できる。今回は、内包成分をじっくり届けるために、多層構造を選択した」と説明した。

技術検証では、ラマン分光法を用いて角層への浸透挙動を評価。その結果、多層リポソームが角層全体へ浸透していることを確認した。さらに、発酵成分単独と比較して、リポソーム化した条件では角層水分量が有意に増加し、TEWL(経表皮水分蒸散量)も低下。バリア機能サポート効果が示された。

また、2週間の連用試験では、肌弾力の向上やキメ改善も確認されたという。満田氏は、「一度の使用だけでなく、連用でも肌状態の改善傾向が見られた。荒れた肌への使用でも、翌日までうるおいが維持されていた」と解説した。

クラシエでのリポソーム技術開発は今回が初。今秋発売のスキンケアブランドに搭載し、主軸技術としてブランド化していく考えだ。この技術は、美容液だけでなく、クリームなどにも配合可能。また、今回確立したリポソーム技術を活用し、今後は中に入れる成分を変えながら、年齢層や肌悩みに応じた製品展開も検討するとしている。