野村総合研究所(NRI)の推計によると、2023年に純金融資産総額が1億円以上の富裕層、5億円以上の超富裕層は合計165万3000世帯だった。21年に行った前回推計に比べて11.3%の増加。資産総額は28.8%も増えている。しかし、富裕層の職業、生活スタイル、消費行動は変わり始めているという。例えば、以前の富裕層と言えば、企業オーナーや地主などが多かったが、近年は給与収入で暮らす一般人も資産運用で豊かになっている。多様化する富裕層について、NRI金融コンサルティング部の竹中啓貴シニアコンサルタントに解説してもらった。
株式市場の活況で金融資産が増加
――まず富裕層の定義を教えてください。
竹中 純金融資産総額とは預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯が保有する純金融資産の合計額から、負債(ローンなど)を差し引いた値です。私たちは、純金融資産総額をもとに五つの階層を設け、それぞれの世帯数と純金融資産総額を推計しました。富裕層と超富裕層の合計世帯数は05年の推計開始以来、右肩上がりで増え続け、23年は165万3000世帯に達したということです。
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