ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の2024年12月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比1.1%減の1253億9500万円、営業利益9.2%減の108億1700万円、経常利益20.9%減の117億2500万円、親会社株主に帰属する四半期純利益25.2%減の69億4800万円と減収減益。売り上げは、主に基幹ブランドであるPOLAブランドの減収が影響した。利益面では、売上高減による粗利の減少により営業減益となった。
セグメント別売上高を見ると、ビューティケア事業は売上高が1.4%減の1214億8700万円、営業利益が0.2%増の117億3100万円となった。
そのうちPOLAブランドは、国内事業において、新商品を軸としたカウンセリングサービスの強化や新たな肌分析のスタート、「アペックス」シリーズのリニューアル等の顧客体験価値を高める活動により、委託販売チャネルでは成長店舗群が増収し、百貨店チャネルでは2桁増収が継続しているが、委託販売チャネルの店舗数減少による顧客接点の縮小影響等により、全体で前年を下回った。海外事業では、中国を中心とする一部のアジア地域における景気減速の影響が継続したことにより、海外事業全体で前年を下回る実績。以上の結果、売上高が6.2%減の683億3300万円、営業利益が16.4%減の77億6400万円となった。
ORBISブランドは、海外事業で、重点市場である中国の景気減速の影響が継続したことにより、海外事業全体で前年を下回ったものの、国内事業は、顧客基盤の安定化が進む直販チャネルでは、顧客数の増加が継続し、また高機能・高単価商品の好調が継続して顧客単価上昇に寄与したことにより、大幅な増収。さらに新たな成長ドライバーと位置づけ積極展開している外部チャネルでは、商材の拡張を進め、高い売上成長を維持。国内事業の好調が海外の不調をカバーし、売上高が14.8%増の358億3800万円、営業利益が48.1%増の65億9100万円となった。
Jurliqueブランドでは、本国である豪州においては、3月に発売した新製品が好調に推移し、百貨店・直営店・ECチャネルが堅調に推移したことにより、増収が継続。中国における百貨店・ECチャネルの販売の落ち込みを補い、売上高が2.3%増の60億1400万円となった。一方で、販売管理費の増加等により営業損失は21億9300万円と赤字幅が拡大した。
育成ブランドでは、THREEブランドは、差別性である「精油」を軸とした商品により店頭の活性化を図ったものの、新規顧客の獲得が前年に及ばず、前年を下回った。DECENCIAブランドは、顧客属性に応じた販売施策の強化等により新規顧客獲得と既存顧客の活性化が進み、前年を上回る実績で推移。黒字化に向けて顧客体験価値を高める取り組みを進めているFUJIMIは、前年を上回る実績で推移した。これらの結果、売上高が10.3%減の113億円、営業利益は4億3000万円の欠損だったが、各ブランドにおいて厳格な費用コントロールを実施したこと等もあり、赤字幅は1億4800万円縮小した。
24年12月期通期業績は、売上高0.1%増の1735億円、営業利益9.8%減の145億円、経常利益3.1%減の179億円、純利益20.0%増の116億円と前回公表数値を据え置いた。