ポーラ・オルビスHDは4月28日、2020年12月の第1四半期決算を発表した。連結売上高は前年同期比17.4%減の433億1600万円、営業利益は売上高減による売上総利益減少により、同70.4%減の20億600万円、為替差損を計上したことにより経常損失は1億5400万円(前年同期は経常利益65億2500万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は12億4600万円(前年同期は四半期純利益41億5700万円)で、減収減益となった。基幹ブランド「POLA」の大幅な減収減益が響いた。また、新型コロナウイルスにより「POLA」「Jurlique」「THREE」が苦戦した。

主力のビューティケア事業は、同73.6%減の17億円だった。「POLA」では、日本で初めてシワを改善する医薬部外品として承認された「リンクルショット」シリーズより、1月に薬用化粧品「リンクルショットジオセラム」(美容液)を発売。また、ポーラ最高峰シリーズ「B.A」より誕生した「B.A ライトセレクター」(日やけ止め)は、太陽光の中で肌に良い影響をもたらす赤色光に着目した新発想の日中用クリームとして、3月の発売開始から2日間で約2万個を販売。海外での百貨店・免税店の展開も順次拡大し、海外事業の成長加速を進めている。一方で、新型コロナウィルス感染症の拡大により、中国国内での店舗営業の自粛や日本国内でのインバウンド需要の減速等の影響が生じてからは、オンライン・オフラインを活用した顧客との関係性を継続しているが、前年同期を下回る売上高・営業利益となった。

もう一つの主力ブランド「ORBIS」では、高収益事業へと再成長を遂げるため、ブランド差別性の創出による存在感の向上に取り組んでいる。エイジングスキンケアシリーズ「オルビスユー」や、肌への機能が確認された特定保健用食品「オルビスディフェンセラ」に加えて、2月には、第3の象徴商品となるクレンジング「オルビスオフクリーム」を発売し、新規顧客の獲得に貢献。また、アジア圏における顧客接点の拡大によるブランド認知率の向上に取り組んだ。一方で、戦略的に顧客ターゲットの絞り込みに取り組んだ結果、既存顧客が減少したため、前年同期を下回る売上高となった。費用面では、顧客構造が改善し、販促効率が向上したため、前年同期並みの営業利益となった。

海外ブランドの「Jurlique」は、1月に植物エキスを独自理論で配合した最高峰のエイジングケアシリーズ「Nutri-Define」をリニューアル発売し、ブランドの根幹である独自農法や植物栽培のプロセスとともに積極的な市場発信を進めた。一方で、2月以降は新型コロナウィルス感染症の拡大の影響を受けたアジア地域や豪州、トラベルリテールでの営業活動が大幅に制限されたことにより、前年同期を下回る売上高となった。費用面では販管費の縮小や固定費の削減に積極的に取り組んだものの、売上減少分をカバーするまでには至らず、営業損失が拡大する結果となった。「H2O PLUS」は、1月にベストセラーである「Hydration Oasis」シリーズを、「人・社会・自然」への影響に配慮したクリーンな処方へと全面刷新し、新規顧客の獲得に貢献。一方で、アメニティの出荷減により前年同期を下回る売上高となったが、販管費の削減に積極的に取り組んだため、営業損失が縮小する結果となった。

育成ブランドについては、「DECENCIA」の新商品による新規顧客獲得の好調や、18年にローンチした「Amplitude」「ITRIM」「FIVEISM×THREE」の売り上げが成長したが、「THREE」における新型コロナウィルス感染症の拡大による売上減少の影響が大きく、前年同期を下回る売上高・営業利益となった。