ポーラ・オルビスホールディングスとANAホールディングスは、両社の知見を組み合わせ、宇宙ライフを美しく快適に過ごす化粧品をつくる「CosmoSkin」プロジェクトに着手。9月11日にはオンライン発表会を開催し、その概要を明らかにした。
宇宙環境は肌や体が極めて乾燥しやすい状況であり、さまざまなことが制限されるため従来の化粧品とは違った機能性が求められるという。感染症の拡大による生活の制限、災害による避難が増えているといった昨今の状況では、宇宙でのニーズをかなえることは地上での課題解決にもつながるのではないかとの考えに基づき、プロジェクトをスタートした。
このプロジェクトでは、ポーラ・オルビスHDが宇宙でも心地よく使えるサービス・製品の研究開発を行い、ANAが有する宇宙空間に近いという航空機内にて実証実験を行う予定で、2023年の発売を目指す。
発表会において、ポーラ・オルビスHDの末延則子執行役員は、「分野は違うが両社ともお客さまに寄り添い、新価値創造を通じて新しい未来を築きたいという共通の思いがある。宇宙事業を通じそれぞれの知見を合わせることで課題解決を実現する。このプロジェクトが宇宙と地球の新しい豊かな生活につながると信じています」と力強く語った。
発表会の後半には「宇宙の課題解決が地球の課題解決へ」をテーマにしたパネルディスカッションを実施。宇宙飛行士の山崎直子氏、極地建築家の村上祐資氏、全日本空輸の宣伝部部長 兼 宇宙事業化プロジェクトの江島まゆみ氏、ポーラの山口裕絵執行役員で、日常生活とは異なる宇宙などの特殊環境で起こる体の変化、制限のある環境に配慮した容器などのユーザビリティ、宇宙空間でも使える新しい剤型などについて話し合った。
なお、2社のコラボレーションのきっかけは、19年にポーラ・オルビスHDの「美肌ウェルネスツーリズム」が、内閣府主催の宇宙ビジネスアイデアコンテスト「S-Booster2019」でANAホールディングス賞を受賞したことだ。内容は、衛星から得られるデータと、肌や健康に関する知見を組み合わせることで、旅行者が肌や体調をケアしながら旅をしたり、最適な旅行地の提案を行うというもので、現在ツーリズム候補地として島根県を交え準備を進めている段階だという。