ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の2024年12月期第1四半期決算は、売上高が前年同期
比3.0%減の408億8600万円、営業利益が26.2%減の33億5700万円、経常利益が3.2%減の46億7500万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は14.0%増の31億2600万円となった。
セグメント別に見ると、主力のビューティケア事業は 売上高3.4%減の395億5200万円、営業利益が18.0%減の 35億7500万円だった。
POLAは、売上高・営業利益とも前年同期を下回った。国内事業では、2023年に始動した全ての販売チャネルを対象とするメンバーシッププログラム「ポーラ プレミアム パス」の浸透によりお客のチャネル回遊が始まり、また新商品の「ホワイトショット フェイシャルセラム」や「B.A ライト セレクター」、エステ等が好調に推移したが、委託販売チャネルにおける店舗数と顧客数の減少等の影響により、国内事業全体で前年を下回る実績となった。海外事業では、アフターコロナにおける事業回復と、最重点市場である中国でブランドプレゼンスの確立のための顧客接点の拡充に取り組んでいが、中国を中心とする一部のアジア地域における景気減速の影響により、海外事業全体で前年を下回る実績となった。
ORBISは、計画以上の好業績となり2桁の増収・増益。顧客基盤の安定化が進む直販チャネルでは、主力商品の「オルビスユー」シリーズの他、新商品の「アドバンスド ブライトニング セラム」等が好調に推移し、顧客数、顧客単価ともに前年超過となった。新たな成長ドライバーと位置づけ積極展開している外部チャネルでは、顧客のリピート化も進んでおり、売り上げの伸長が継続。80%を超える増収を確保した。海外事業では、重点市場である中国での成長加速と黒字化のため、引き続き顧客接点の拡大とブランド認知向上に注力しているが、中国における景気減速の影響により、海外事業全体で前年を下回る実績となった。
海外ブランドのJurliqueは、中国大陸、豪州を中心に伸長し増収。営業損失は為替の影響を除くと前年同期並み。本国である豪州においては、アフターコロナの事業回復が順調に進み、更に新製品が好調に推移したことにより、前年より2桁成長の実績となった。また中国においても、景気減速の影響を受けたものの、ECチャネルを中心に成長し、前年を上回る実績となった。
育成ブランドは、前年に2ブランドを撤退した影響により、育成ブランド全体では前年同期を下回る売上高となった。一方で、各ブランドにおいて厳格な費用コントロールを実施したこと等が奏功し、営業損失は改善している。THREEブランドでブランド再生への取り組みを進めており、差別性である「精油」「香り」を軸とした顧客アプローチにより既存顧客を中心に活性化がみられているが、新規顧客の獲得が前年に及ばず、前年を下回る実績で推移している。DECENCIAブランドでは、顧客数の増加トレンドが継続し、前年を上回る実績で推移。FUJIMIブランドでは、黒字化に向けて顧客体験価値を高める取り組みを進めており、前年同期並みの実績で推移している。
24年12月期通期業績は、売上高は3.3%増の1790億円、営業利益が11.3%増の179億円、経常利益が3.1%減の179億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は20.0%増の116億円と、期初予想を据え置いた。