ポーラ・オルビスホールディングスは、10月31日、22年12月期の第3四半期決算を発表した。同期の連結業績は、売上高1196億5400万円(前年同期比-8.8%)、営業利益76億6800万円(同-37.4%)、経常利益121億6900万円(同-9.4%)、親会社株主に帰属する四半期純利益が130億3500万円(同50.5%増)。ビューティケア事業は、売上高が1162億3100万円(同-9.1%)、営業利益は83億1900万円(同-32.2%)となった。

ブランドごとにみると、POLAブランドは前年同期を下回る売上高・営業利益。さらなるブランド価値の向上、事業基盤の強化を進めるため、エイジングケア・美白を中心とした高機能商品の投入や重点市場に定める中国及び成長市場であるトラベルリテールへ注力。国内事業では、実店舗とオンラインでのチャネルシームレスな顧客獲得・定着、LTVの拡大に向けた取り組みを継続した結果、ECチャネルでの売り上げ伸長につながった。一方、回復傾向にはあるものの、委託販売チャネル(対面型販売)でのコロナ影響によるビューティーディレクターの稼働率低下及び顧客数減少の影響をカバーするに至っていない。また、海外事業においては、重点市場に位置付ける中国においてブランドコントロールが可能なECプラットフォーム等でのプロモーションを強化したものの、中国でのゼロコロナ政策の影響を大きく受ける結果となった。

ORBISブランドもまた前年同期を下回る売上高・営業利益となった。高収益事業へと再成長を遂げるため、ブランド差別性の創出によるプレゼンスの向上と今年リニューアルしたエイジングスキンケアシリーズ「オルビスユー」を中心に据え、スキンケアユーザーの獲得を推進。国内においては引き続き、アクティブ顧客の増加に向けて、顧客セグメント別コミュニケーションを強化したことで既存顧客の稼働率向上及び休眠顧客の活性に繋がった一方で、顧客数及び顧客単価が減少する結果となった。海外では、重点市場である中国において、オンラインではソーシャルセリングを活用したブランド発信、オフラインでは展開地域の拡大を進めるも、POLAブランド同様ロックダウンの影響を受ける状況が続いている。

Jurliqueブランドでは、最重点市場に位置付けている中国において、各省での断続的なロックダウンによるオフライン店舗の営業停止の影響を受けたが、成長領域であるECチャネルを中心に二桁成長を実現。また、本国豪州においても、昨年ロックダウンの影響を受けたオフラインチャネルでの業績回復により、前年同期を上回る売上高となった。販管費の積極的な削減に取り組んだものの、為替の影響により、営業損失は微増している。

育成ブランドについては、新規顧客・既存顧客ともに好調なFUJIMIブランドの成長があったものの、THREEブランドの苦戦の影響により、育成ブランド全体で前年同期を下回る売上高となったが、各ブランドにおいて状況に応じた費用コントロールを進めたことで、育成ブランド全体の営業損失は縮小する結果となっている。