ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の海外事業が新しいフェーズに入った。2021年1月4日、香港に連結子会社「POLA ORBIS Travel Retail Limited(POTRL)」を設立。ポーラ、Jurlique、THREEなどグループが保有するブランドを統括して取り扱うトラベルリテール(TR)専門の販売会社で、事業開始は21年4月を予定している。ポーラ・オルビスHDが21年2月12日に発表した「中期経営計画(21〜23年)」では、「海外売上高比率:23年20〜25%(連結)、年平均成長率20〜25%」という高い目標を掲げた。戦略の中心は、中国本土の市場開拓とTR事業の強化。いずれもグループ売上高の6割を稼ぐ主力ブランド「ポーラ」への投資が最優先で、TRは約20店舗の増設を目指すという。POTRLのトップ(Director and CEO)に就いたポーラ・オルビスHDの横手喜一取締役に、ポーラ・オルビスHDの海外事業の行方について話を聞いた。

TR市場を開拓する即断即決の仕組みが整った

――2020年1月1日、ポーラ・オルビスHDの海外展開の責任者に就きました。コロナ禍の影響があるとはいえ、20年12月期までの目標だった「海外事業の黒字化」は未達。ビジネスの現状をどのように捉えていますか。

横手 ポーラ・オルビスグループにとって、海外事業の強化は最重要テーマです。私が責任者に就いたあと、改めて全体を俯瞰して、グループの強みを引き出し、成果が生まれるビジネスの在り方を探りました。喫緊の課題は二つあります。まず、一つ目は、海外ブランドと位置付けている「Jurlique(ジュリーク)」と「H₂O PLUS(エイチツーオープラス)」の立て直しを加速させること。二つ目は、グループのシナジーを発揮して、TR事業の出遅れを取り戻すことです。この二つを最優先に取り組んでいます。

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