注力分野は企業によって千差万別

12月期決算の資生堂、花王、ポーラ・オルビスホールディングス(HD)、ライオンが中長期経営戦略を発表した。共通項は、事業領域の拡大である。化粧品・日用品業界は共に、国内市場では少子高齢化による市場縮小への対応、海外市場の開拓では巨大企業、新興企業との戦いが課題。そこに新型コロナの影響が加わった。資生堂は、新型コロナは2021年下期から22年上期に収束に向かい、23年から経済が本格回復すると見込む。花王は、緩やかに収束に向かう前提だが、先行きは不透明としている。いずれにせよ各社ともにアフターコロナの個人消費の拡大に向けた準備を始めている。コロナの前と後では、社会と生活者が望む商品、サービスは変わるからこそ、既存事業の活性化に甘んじず、事業領域の拡大で、サステナブルな成長力を手に入れようとしている。

例えば、資生堂は、23年までの中期経営戦略「WIN 2023」の主要戦略の一つとして、プレミアムスキンビューティへの注力を挙げている。その柱は、資生堂が得意とするサイエンスに裏打ちされた従来のスキンケア領域に加え、その関連カテゴリーを開拓するというもの。その例として、ビューティデバイス、スキンケア効果のあるメイクアップ、インナービューティ、クリーンビューティ、サンケア、パーソナライズサービス、メディカル・ダーマトロジーなどが挙げられる。具体的な動きとして、「SHISEIDO」ブランドによる免疫など生命科学に基づくスキンケア提案、男性美容ニーズへの提案、革新的技術であるセカンドスキンの擬似皮膚を用いた目もとのたるみ改善への応用がある。資生堂はプレミアムスキンビューティー事業の売上構成比を23年までに19年の60%から80%に引き上げる計画である。

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