経営陣の明確な意思が組織全体に波及
ポーラ・オルビスホールディングス(HD)のサステナビリティ戦略の強化が軌道に乗っている。その象徴は、2021年12月、国際環境非営利団体「CDP」の気候変動リストAリスト企業(21年度)に選定されたことだろう。これは気候変動に関する取り組みと情報開示が優れている企業に与えられるもの。21年度にCDPを通して環境情報を開示したのは、過去最高の約1万3000社。そのうち、排出削減活動や気候変動緩和対策が高く評価され、気候変動Aリストに選定されたのはわずか200社に過ぎない。CDPは、2000年に英国で生まれた国際NGOで、企業や自治体を対象とした世界的な環境情報開示システムを運営し、110兆米ドル超の資産を保有する590強の投資家と協働。資本市場と企業の調達活動を介して、企業に環境情報開示、温室効果ガス排出削減、水資源保護、森林保護を後押ししている。ESG投資の重要性が高まる中、CDPの気候変動リストAリスト企業に選ばれることは上場企業にとって名誉であるとともに、事業戦略を進める礎となる。
ただ、ポーラ・オルビスHDのサステナビリティに関する成果は、これだけではない。取り組みが多様化し、個性的な活動を継続する理由について、同社の橋直孝執行役員(広報・IR・CSR・サステナビリティ推進担当コーポレートコミュニケーション室長)は「取締役会から現場第一線までが連携して、グループ理念の実現とサステナビリティに臨む体制を築いてきた」と説明する。
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