ポーラ・オルビスHDの2021年12月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比4.3%増の1311億6400万円、営業利益が同32.7%増の122億4100万円、経常利益が同72.8%増の134億3200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同453.1%増の86億6100万円と増収増益となった。基幹ブランド「POLA」の海外事業が全体をけん引した。
主力のビューティケア事業は、売上高が同4.5%増の1278億3400万円、営業利益が同45.7%増の122億7100万円だった。
「POLA」は、国内店舗が緊急事態宣言等の長期化による厳しい事業環境が継続。一方、国内ECはリンクルショットを中心に高成長を継続した。また、海外では中国およびトラベルリテールを中心に順調に事業拡大が進み、ブランド全体を大きくけん引したことで、新型コロナウイルス感染症の影響はいまだ残る中、前年同期を上回る売上高・営業利益となった。
もう一つの主力ブランド「ORBIS」は、海外では、アジア圏における顧客接点の拡大によるブランド認知率の向上に取り組んだが、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、海外事業での構成比の高い台湾においてロックダウンに近い状態が継続。国内においてもメイク品需要の回復の遅れ、新規事業への投資などにより、前年同期を下回る売上高・営業利益となった。
海外ブランドの「Jurlique」は、豪州の直営店や大手百貨店で断続的な営業停止措置を受け、オフラインチャネルでの営業活動が大幅に制限されたが、豪州自社ECチャネルの売上伸長や中国、香港における営業活動の回復により事業成長の結果、前年同期を上回る売上高となった。費用面では販管費の削減に積極的に取り組んだ結果、営業損失が縮小した。「H2O PLUS」は、ホテル向けアメニティ事業がアメリカでの新型コロナウイルスワクチンの接種拡大による観光産業の回復により出荷が拡大したことで、前年同期を上回る売上高とった。費用面では、EC事業での新規顧客獲得の投資が拡大したものの、売上増による粗利の増加により営業損失は縮小する結果となった。
育成ブランドについては、「DECENCIA」の国内EC、「THREE」の海外および越境ECの売上成長に加え、4月に子会社化した「FUJIMI」も加わったことにより、前年同期を上回る売上高となった。一方で、のれんおよび商標権の償却費などの増加により、営業損失が拡大した。
21年12月期決算は前回公表した数字を据え置いた。売上高が7.8%増の1900億円、営業利益が38.2%増の190億円、経常利益が51.0%増の190億円、親会社株主に帰属する当期純利益が144.0%増の113億円を見込む。