ポーラ・オルビスホールディングスの2020年12月期連結業績は、売上高は前期比19.8%減の1763億1100万円、営業利益は55.8%減の137億5200万円、経常利益は58.9%減の125億7900万円、親会社株主に帰属する当機期純利益は、76.5%減の46億3200万円で、減収減益となった。
主力のビューティケア事業は、売上高が19.8%減の1763億1100万円、営業利益が57.1%減の129億6500万円だった。「POLA」では、国内においては、20年9月に発売したポーラ最高峰エイジングケアシリーズの新B.Aを筆頭に、リンクルショット、ホワイトショットが多くのベストコスメを受賞。また、ECチャネルの売り上げが大きく伸長しており、引き続きECチャネル強化を進めている。エステ店も店内衛生管理・感染防止対策を徹底し、既存客を中心に来店が回復傾向にある。海外では、特に中国EC、韓国免税店が高成長を継続している。中国のW11・W12商戦では百貨店およびライブコマース等の取り組みも好調に推移した。ただし、新型コロナウイルス感染症拡大による影響をはねのけるには至らなかった。
もう一つの主力ブランド「ORBIS」では、国内においては、エイジングスキンケアシリーズ「オルビスユー」を中心に、特に20年第3四半期から第4四半期にかけて、新規顧客獲得と2回目購入が好調に推移。また、通販事業では、費用構造改革とコロナ禍で急速に進んだ非接触型の消費行動への変化に対応すべく取り組んだ、通販チャネルへの誘導施策が奏功し、増益を果たした。20年12月には、独自のスキンケアチェックサービス「AI未来肌シミュレーション」を開始し、テクノロジーを活用した高い体験価値を提供することで、「スマートエイジング(自分らしく美しい肌年齢を重ねていくこと)」の実現に向けて取り組んだ。海外においては、アジア圏における顧客接点の拡大によるブランド認知率の向上に取り組んだ。が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、店舗の臨時休業等が影響し、苦戦した。
「Jurlique」は、中国ECチャネルにおいて高成長を果たした一方で、豪州・香港の直営店舗や大手百貨店店舗において、新型コロナウイルス感染症再拡大による売上減少の影響が大きく、前年を下回った。「H2O PLUS」は、ECチャネルでの事業拡大を目指し、商戦期に絞った積極的な広告投下とプロモーション活動に注力。新規顧客・リピート顧客購入を促進することで、前年同期を上回る売上高となった。
ホテル向けアメニティ事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化する中、商業施設の休業による出荷の減少が継続したことで、前年同期を下回る売上高となったが、積極的なコスト削減に取り組んだ結果、営業損失は縮小した。
育成ブランドについては、「DECENCIA」の新商品による新規顧客獲得の好調や、18年にローンチした「Amplitude」「ITRIM」「FIVEISM×THREE」の売り上げが成長したが、「THREE」における新型コロナウィルス感染症の拡大による売上減少が響いた。
21年12月期決算は、売上高が7.8%増の1900億円、営業利益が38.2%増の190億円、経常利益が51.0%増の190億円、親会社株主に帰属する当期純利益が144.0%増の113億円を見込む。