ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の2023年12月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比11.9%増の421億3600万円、営業利益が137.9%増の45億4900万円、経常利益が16.7%増の48億3200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が61.8%減の27億4300万円となった。国内、海外ともにコロナ禍から回復し、売上高が増加。売上増加による粗利益の増加により、営業利益も増加した。

主力のビューティケア事業は、売上高が12.1%増の409億5000万円、営業利益が115.1%増の43億5900万円だった。

POLAは、前年同期を上回る売上高・営業利益となった。国内事業では、行動制限の解除による人流の戻りに加えて、新商品やエステの好調により、国内すべての事業が前年を上回る実績で推移。海外事業は、全体では前年を上回る実績となったが、最重点市場である中国でゼロコロナ政策終了後の回復に遅れが見られる状況であった。

ORBISは、前年同期を上回る売上高となったが、売上増加に伴う販売管理費の増加が影響し、営業利益は前年同期並み。国内事業では、直販チャネルで「オルビスユードット」が伸長し、リニューアル発売したUVのスペシャルケア品による新規顧客獲得も進み、顧客数は前年超過となった。外部チャネルはECプラットフォームを中心に、前年同期より大幅に伸長した。海外事業は、中国での成長加速に向けて投資の強化に取り組み、2桁成長を実現した。

海外ブランドのJurliquは、トラベルリテールでの回復が遅れている影響により、売上高は前年同期並み。一方で、販売管理費が増加した影響により、営業損失が拡大する結果となった。引き続き豪州や香港で早期の事業回復を進めるとともに、中国ではオンラインを中心とした成長を加速し、早期の黒字化を目指す。

育成ブランドは、前年同期を上回る売上高となった。THREEブランドで2024年黒字化に向けた構造改革の取り組みを進めており、国内事業が前年を上回る実績で推移した。また、各ブランドにおいて厳格な費用コントロールを実施したことが奏功し、営業損失が改善した。なお、ビューティケア事業におけるブランドポートフォリオの改革と更なる収益性向上を目指す一環として、「Amplitude」「ITRIM」の2ブランドの撤退を決定している。

通期業績予想に変更はなく、売上高は8.2%増の1800億円、営業利益が20.0%増の151億円、経常利益が1.2%増の151億円、親会社株主に帰属する当期純利益が12.6%減の100億円としている。