大手ヘアサロンチェーンの田谷は2023年4月1日にフリーランス・FC事業本部を新設。その直下に業務委託美容室の運営管理などを担当するフリーランス・FC運営グループを置いた。ヘアサロンは、新卒で美容師の卵を採用し、5年以上の歳月をかけて手厚い技術教育を行い、一人前に育てる。収益が出るのはここからで、ヘアサロン業界は教育産業と言える。だから、正社員よりも流出しやすいフリーランス(個人事業主)の活用は禁断の一手。それに老舗の田谷が動いたことは、業界に驚きとして広がったのである。
近年、ヘアサロン業界で増えている業務委託美容室は、集客や在庫管理など店舗の運営を美容室が担い、サービス提供はフリーランス(個人事業主)として働く美容師に委託する仕組みだ。美容師は正社員ではないから完全歩合制で働く。社会保険などの負担はあるものの、美容室に勤めている時より手取りが増える、と人気になっている。一方、美容室側は、労使折半の社保負担、煩雑な税務処理などが不要になり、美容師にスキルアップの機会を提供する手間も省けるから、運営コストは著しく下がる。目先のお金が欲しい美容師とコストを削減したい美容室のウィンウィンの関係が成り立つから、業務委託は普及している。
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