化粧品市場はコロナの苦境を脱しつつある。特に高級ブランドの売れ行きが急回復。日本百貨店協会が発表した2022年12月の売上高速報でも、化粧品は前年同月比3.7%増を記録。各館の状況は「22年8月に化粧品売り場をリニューアルしてから客数が伸び続け、売り上げも好調。免税も19年比30%まで回復した」(松屋銀座本店)、「12月の売り上げは前年比2桁増。日本人の実績に限ると、コロナ前の18年度を超えた」(新宿伊勢丹)、「前年を大きく上回る好調を持続。日本人客の売り上げにプラスして、外国人客の購買が実績を押し上げた」(銀座三越)など活況を呈した様子が伝わってくる。日本人と外国人それぞれの購買が復活しているのは、明るい兆しと言える。

好調なブランドは多岐にわたるが、例えば、資生堂は、クレ・ド・ポー ボーテ(CPB)、SHISEIDOが前年比2桁成長を記録。海外でも知名度が高いCPBは、早くもインバウンド需要を取り込み、ローカル売上高も2桁で推移。スター商品の美容液「ル・セラム」、人気商品がそろうベースメイクがけん引しているようだ。「外国人客がCPBの高級クリームを買っているのは、ブランドの認知度が高く、商品力があるから」と松屋銀座本店の河野新平ショップ運営部長は言う。一方、SHISEIDOも、中核の美容液「アルティミューン」の購入者が多く、狙い通りの展開。さらに最高級ライン「フューチャーソリューションEX」が伸長しているのは、消費者の購買意欲が高まっている表れではないか。

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