「一切、渋谷のことに触れなかったので少し違和感を覚えました」。新宿ルミネの賀詞交歓会での席上、ある参加者がルミネ社長、JR東日本社長の挨拶を聞いたときの感想である。大人や富裕層を意識した大型商業施設の相次ぐ開業に沸く渋谷に話題をさらわれた新宿エリア。ルミネの運営母体であるJRの渋谷の再開発を行う東急電鉄への対抗意識は別として、消費税増税以降マイナストレンドが続く百貨店が多い新宿と再開発で賑わう渋谷で明暗が分かれた格好だ。
三越伊勢丹ホールディングス、高島屋、J.フロントリテイリング、そごう・西武の大手百貨店4社が6日発表した2019年12月の既存店売上高は、全社で前年同月の実績を下回った。消費税増税後初の年末商戦となったが、増税の影響が残ったことに加え、気温が下がらず冬物衣料が苦戦。20年の初売りでも厳しさは続いている。新宿に店舗がある三越伊勢丹HDはマイナス5.3%、高島屋がマイナス5.0%、中でもインバウンドが多い新宿エリアにおいて化粧品の落ち込みの影響は大きく、三越伊勢丹HDがマイナス17.1%、高島屋がマイナス38.8%と依然厳しさは続いている。
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