急に決まった日本先行発売の効果

「大きな決断をしました」とコーセーの小林一俊社長が力を込めて紹介したのは、保湿美容液「モイスチュア リポソーム」の全面刷新のことだ。大きな決断とは、いくつもある。一つは、ハイプレステージブランド「コスメデコルテ」の象徴商品の処方に初めて手を加えること。コーセーは1984年に医療技術から着想を得て研究を開始し、92年に商品化に成功した。コスメデコルテの美容液の中で売り上げ、リピート率ともにトップ。文字通り、「モイスチュア リポソーム」はブランドの顔と言える存在だ。誕生29年目にして初のリニューアルは覚悟を持った決断と言っていいだろう。


小林一俊社長

もう一つは、発売日の変更だ。実は、もともと誕生30周年の節目である22年に、世界同時発売を予定していた。その方針を変えたのは、新商品である「コスメデコルテ リポソーム アドバンスト リペアセラム」(1品目・4品種・8250〜1万6500円)の試作品の出来栄えがよく、「1日も早く、特に日本のお客さまにお届けしたいと強く思った」(小林社長)からである。21年9月16日に日本で先行発売し、22年1月1日から13の国・地域()、各国免税店で発売することになった。小林社長が「明るいニュースを届けることで、この秋の国内化粧品市場を大いに盛り上げたい」と話していることから、コーセーが使命として取り組む「化粧品や美容を通じて、生活に彩りと潤いを提供することで、一人でも多くの人を幸せにし、社会を明るくすることに貢献する」に沿った決断であることがわかる。

コスメデコルテ リポソーム アドバンスト リペアセラム

:中国、香港、台湾、韓国、シンガポール、タイ、マレーシア、イギリス、イタリア、フランス、スペイン、アメリカ、カナダ

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