ミトコンドリアの質を回復させる技術を用いたシワ改善美容液「iP.Shot アドバンスト」に対して、薬用シワ改善クリーム「ONE BY KOSÉ ザ リンクレス」は、「ナイアシンアミド」で真皮と表皮の両方から素早くシワ悩みをケアするのが特徴。「シワ改善効果はナイアシンアミドに頼っているが、じつはアスタキサンチンに関する新しい知見も重要な役割を果たしている」とコーセー商品開発部の佐々木一郎部長は話す。

「ONE BY KOSÉ ザ リンクレス」には、シワ改善有効成分の「ナイアシンアミド」に加え、アスタキサンチンの効能効果を最大限に活用した独自有用成分「AZ-アスタキサンチン」を配合している。コーセーは、アスタキサンチンに真皮エラスチン線維の変性を抑制し、改善する可能性があることを発見。真皮エラスチン線維は、動脈、心臓、肺といった弾力に富む臓器に多く存在する線維で、真皮の構造維持に働き、皮膚の弾力において重要な役割を担うという。

肌をテントに例えると、雨風を避けるシートはコラーゲンで、それを支える骨組みがエラスチン線維。アスタキサンチンで骨組みを強くすることで、肌のハリを引き出し、「ナイアシンアミド」のシワ改善効果をフォローする。「『ONE BY KOSÉ 』は、コーセーの独自技術を結集したブランドで、シワ改善美容液は第3弾の商品。これで保湿、美白、シワの3大悩みに応えられる」と佐々木部長は話す。

二つのシワ改善美容液は、使い心地がまったく異なるのも特徴である。「iP.Shot アドバンスト」は、塗った瞬間からシワを伸ばすように「ピタピタピタッと肌になじみ、ずっと残る膜になるイメージ」(佐々木部長)。一方、「ONE BY KOSÉ ザ リンクレス」は、みずみずしく、肌の上を滑るように伸びる。「初めて使ったとき、こんなに気持ちいいの、と表情が和らいだ」と佐々木部長は説明し、次のように続けた。

「コーセーの商品開発は、触った瞬間に効果を感じることを大事にしています。つまり、お客様が触った瞬間に『これは効く』と期待を持っていただくことです。そのポイントは、心地良く使っていただく感性技術と浸透などの届ける技術を追求すること。そして二つのバランス感覚も養わなければいけない」

難航を極めたのは、商品の価値を消費者に伝える言葉の選定。特に医薬部外品の表現は厳しく規制されており、「商品開発部と研究所は、それこそ喧嘩になるのではと思うぐらい、本気で議論を重ねた」(佐々木部長)。キャッチコピーが「速攻ケア。シワに深く、効く。(iP.Shot アドバンスト)」、「真皮と表皮、両方にアプローチ(ONE BY KOSÉ ザ リンクレス)」に決まったのは、18年5月。6月6日に「iP.Shot アドバンスト」を発表する直前まで細部にこわだり続けた。

(第5回に続く・8月13日公開)